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光老化の恐ろしい実態と今すぐできる7つの効果的な対策

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これを読んでいる方の中には、最近笑った時の小ジワや法令線が気になってきたという方がいるかもしれません。

誰でも加齢によりシワやシミ・たるみができます。

実は、これらの原因の80%は紫外線にあります。

紫外線で起こるこれらの皮膚の老化現象を「光老化」と言います。

実は、この光老化のほとんどが予防できるものなのですが、意外と気にしていない方が多いのも事実です。

ここでは、光老化のメカニズムとそれによっておこる皮膚の症状とその予防法、また光老化に対する治療法を解説いたします。

ここでご紹介する方法を実践していただくことで、光老化のリスクを最小限にでき、10年後のお肌が若々しい状態に保たれるでしょう。

ぜひ、参考にしてみて下さい。

目次

1.光老化によりおこる皮膚の症状

紫外線をしっかり防いでもある程度の加齢は起こります。これは「内因性老化」と呼ばれます。

一方、紫外線により皮膚にはシワ・たるみなどの加齢現象が加速します。紫外線によるものは「外因性老化」と呼ばれます。

1-1.シミ

皮膚が紫外線を浴びると、フリーラジカルというダメージを起こす物質が産生され、その影響でメラニンが作られます。

軽度であれば色素沈着は改善しますが、長い間紫外線を浴びているとシミとなり元に戻らなくなります。皮膚の細胞が色素沈着の原因となるメラニンを過剰に産生することでシミになります。

ただし、いったんシミ(メラニン)は紫外線防御の役割があります。

1-2.シワ

長い間紫外線に当たっていると皮膚の弾力性が失われます。弾力性を失った皮膚は、表情の動きに伴って常に一定の方向に折り曲げられるので深いシワになります。また、紫外線により皮膚の酸化やDNAの障害が進み、皮膚の弾力を保つコラーゲンやエラスチンが分解され、皮膚のシワは改善しなくなります。

光老化により5年間で法令線が深くなった比較的紫外線を浴びている方の実例です。年々シワは深くなります。

内因性老化の特徴

・浅いシワが増加する

・角化細胞の代謝(ターンオーバー)が低下(高齢者では40日~60日に延長。成人は28日程度)

・角層が薄くなる(傷つきやすくなる)

・弾力低下

 

1-3.たるみ

皮膚にはエラスチンと呼ばれるバネの役割をするタンパク質があります。

紫外線により、エラスチンの過剰産生とエラスチン分解酵素を阻害する作用を持つエラフィンという物質が増えすぎてしまいます。

結果として、エラスチンの合成と分解のバランスが崩れてしまい、皮膚のバネの機能の低下がおこり、たるみが生じます。

1-4.黄ばみ

皮膚には弾性線維というバネの役割をするタンパク質があります。

紫外線により弾性線維は変性して、バネの機能が低下するとたるみがおこります。

食事によってとられた脂質が活性酸素によって酸化すると過酸化脂質生じますが、それが分解されて生じた物質が組織中のタンパク質と反応(カルボニル化)してできる物質(adovanced lipoxdation endproductsALEs)は、組織の黄色化に関与します。

その作用は糖質による糖化という現象によって生じたAGEsという物質よりも強いです。

結果として、皮膚が黄ばむことで、皮膚の明るさが低下し、くすんだ印象になります。

1-5.乾燥

老化した皮膚では、アミノ酸からなる天然保湿因子(NMF)やセラミドの合成が低下します。

それにより皮膚表面の水分が蒸発してしまい、乾燥が起こります。

1-6.くすみ

くすみは、薄い色素沈着以外に、皮膚の毛細血管がダメージを受けて減少することでも発生します。

顔の血流が悪くなると、顔色が黄土色に見えるようになります。

この時に見える色は、コラーゲンそのものの色が見えることによります。

健康的で血色のいい皮膚の色を保つには、毛細血管に血流が行き渡ることが必要です。

ビタミンAの一種であるレチノイン酸を皮膚に塗ることで、ダメージを受けた血管が正常な血管に入れ替わり、くすみは改善します。

1-7.キメの乱れ

角質層が厚くなり、ざらざらした手触りになります。

角質層の代謝が低下することでおこります。

2. 光老化のメカニズム

光老化は、紫外線が原因で起こる現象です。 

シミはレーザーなどにより比較的容易に治療できますが、シワ・たるみは様々な治療によってもなかなか完全にゼロにするのは難しいです。

2-1. 皮膚の変化

皮膚が紫外線に長い間当たっているとさまざまな変化が起きます。皮膚の最も外側は表皮とよばれますが、光老化では表皮の肥厚や萎縮を認めます。また、表皮の内側に位置する真皮にはより強い変化が起きます。真皮ではコラーゲンの減少や炎症細胞の増加を認め、皮膚の弾力が低下します。皮膚の萎縮や弾力の低下は、シワやタルミの原因になります。

2-2. 酸化とDNAの障害

光老化では、皮膚の酸化とDNAの障害が起きます。酸化とは、体の中に過剰に発生した活性酸素によって細胞や組織が障害されることです。酸化は皮膚の老化を促進するだけでなく、皮膚がんの発生に関わります。

DNA損傷が大きく修復不可能な場合は細胞をアポトーシス(細胞を壊す処理)や早期細胞老化により、傷害を受けた細胞を排除します。

ただし特にUVAによりDNAが突然変異を起こすと老化だけではなくがんの原因にもなるので注意が必要です。

子どもにシワができない理由

シワが生じる仕組みとしては、UVBにより表皮の角化細胞で生成されたIL1IL6などのサイトカインという物質(生物活性物質)が真皮に移行して、線維芽細胞を刺激してコラーゲンを切断する酵素(MMPsmatrix metalloproteinases)の働きを高めて、コラーゲンや弾性線維を破壊することでおこります。

なお、子供はコラーゲンの生成が盛んなため、シワができにくいと考えられています。

3.光老化の予防法

これを実行していただくことで、光老化を最小限に食い止めることができます。

きちんとした対策をしていただくことで、治療が必要になったとしても最小限ですみます。

3-1.まずは日焼け止めから

光老化は紫外線を長期間浴びることによって起きるので、紫外線から皮膚を守る日焼け止めを塗るのが防止策の基本です。

紫外線Bをどれぐらい防ぐことができるかという指標はSPF値、紫外線Aをどれぐらい防ぐことができるかという指標はPA分類で示されます。

SPF値は高いほど効果を期待でき、日本で販売されている日焼け止め製品のSPFの最高値は50です。

PA分類では、+の数が多いほど効果を期待できます。日常生活など短時間日光に当たる場合には、SPF10-30PA分類+から++が適しています。余り強すぎる製品は白っぽくなることがあるので、普段使いのものを選ぶときには注意が必要です。

一方、レジャーなどで長時間日光に当たる場合には、SPF30-50と高値で、PA分類は++から+++がよいです。

日焼け止めは、真夏の海や山などに出かける時しか塗らないという方も多いかもしれませんが、夏以外、そして通勤や買い物などの日常生活でも私たちは常に紫外線を浴びています。

日中は屋内でも紫外線が入るので、朝起きたら日焼け止めを塗る習慣をつけるようにすると10年後が違ってくると考えます。

女性の場合にはファンデーションなどの化粧品に紫外線を予防する成分が含まれているものもあるので上手に活用したいものです。

また、特に夏場は汗をかいたり、こすったり、時間が経過すると効果が落ちてしまいます。数時間おきに塗り直すように心がけましょう。

日焼け止めの詳細は「医師解説!簡単に老化防止できる14の紫外線対策と日焼け止め選択法」を参考にしてください。

3-2. 紫外線の強い10-14時の外出を控える

光老化を予防するためには紫外線になるべく当たらないことが大切です。日中の10-14時の間は特に紫外線が強くなりますので、可能であれば外出を控えましょう。

3-3. 紫外線対策グッズを取り入れる

最近では、日傘、帽子、手袋、洋服などさまざまな紫外線対策グッズが販売されています。手袋や洋服などの生地はなるべく厚く、綿かポリエステルのものがおすすめです。色は黒などの濃い色の方が紫外線を予防できるといわれています。紫外線対策グッズを上手に取り入れて、日常生活で浴びる紫外線を予防したいものです。

PCのモニターの光やスマホの光は気にするべき?

スマホやパソコンのディスプレイによる青色LED(ブルーライト)の影響で、フリーラジカルが産生され表皮角化細胞を痛めたり、毛穴が広がったり、シミが産生されたりすることがあります。

そのため、画面の明るさを暗くしたり、ブルーライトを遮断するフィルムや本体のブルーライトカット機能により防いだりするとよいです。

3-4. 正しい栄養の知識を持つ

抗酸化力を持つ栄養をとることが大事です。

食事からとるのが一番ですが、サプリメントからとる方法もあります。

4.光老化に有効なサプリメントや食事

UVAの防御策として、抗酸化対策が重要です。抗酸化物質は細胞の傷害を予防したり遅らせたりする性質があり、野菜や果物に多く含まれます。

サプリメントも有用ですが、野菜や果物を直接とる方がお勧めです。

また、鮭は、抗酸化物質であるアスタキサンチンやビタミンDが多く含まれているのでお勧めです。

4-1.緑茶、コーヒー

緑茶カテキンは、皮膚の炎症を抑える効果があることから、抗光老化作用が期待できます。

また、コーヒーを1日2杯以上飲むことでシミを抑制できたという報告があります。

4-2.βカロテン

光老化の初期段階に作用して、酸化障害を抑えます。

ちなみにカロテノイドを含む食品を多く摂ると、皮膚にカロテノイド沈着しますが、皮膚に障害を与えるものではありません。

4-3.アスタキサンチン

ビタミンCEに比べて高い抗酸化力を持っています。

シワだけではなく、シミにも有効です。

4-4.コエンザイムQ10CoQ10)内服・皮膚塗布

エネルギー生成に欠かせないコエンザイムQ10は抗酸化作用も持っています。

1日100mgの内服または、1%のコエンザイムQ10クリーム塗布を数ヵ月継続すると目元の小ジワに有効であるという報告があります。

5.光老化の予防効果を高めるためのポイント

5-1.血糖値の上昇を避ける

血糖値の上昇は、エラスチンと呼ばれるバネの役割がある皮膚の成分に対してAGE化と呼ばれる変化を起こします。

その結果皮膚のたるみがおこります。例えば、2型糖尿病があると、皮膚の弾力の低下が加速することが分かっています。

また、血糖値の上昇による糖化ストレスによりAGEという物質が産生されます。

AGEは、皮膚などにあるタンパク質に糖が結合してできます。

AGEは、フリーラジカル活性をもち、DNAを損傷します。

さらに、紫外線を浴びることで、AGEによるダメージが増えてします。

詳しくは、「【低GI値食材一覧】低GI値の食生活を行うための8つの注意点」を参考にして下さい。

5-2.禁煙する。副流煙を避ける

喫煙は健康を損ねるだけではなく、皮膚の老化を促進します。

4パックイヤー(1パックイヤーは1箱を1年間喫煙した量に相当)は、非喫煙者の1年分のシワが形成されます。

つまり、11箱吸う喫煙者は、非喫煙者の1.25倍のシワが形成され、12箱の場合は、非喫煙者の1.5倍の速さでシワができることになります。

5-3.大気汚染を避ける

排気ガスに含まれる10 μm以下の浮遊粒子は、呼吸器だけではなく、シミ・シワの原因にもなります。

1日当たり10000台以上の車が通過する幹線道路の100m以内に住んでいる場合、そうでない場合に比べて、額のシミは35%、頬のシミは15%多かったという報告があります。

6. すでにシミが気になっている方の治療法

光老化の症状であるシミの治療法をご紹介します。

念のため、皮膚ガンではないことをチェックする必要があります。

シミの種類、治療法には様々なものがあります。

まずは信頼できる医師に相談してみてください。

6-1.シミの治療は、まず正しい診断から

一口にシミといっても、シミの種類は多くあります。

「シミ」の中では、「老人性色素斑」が一般的に多くみられます。しかし、中には肝斑と似ていたり、重なっていたりすることもあります。

実は、肝斑を見逃すと、フォトフェイシャル(光治療)やレーザー治療を行ったときに逆に肝斑が悪化してしまうこともあります。

逆に、正確な診断のもとに正しい治療を行うことで、なかなか治らなかったシミから解放されることも可能です。

シミの見分け方の詳細は、「シミと肝斑!見分け方とそれぞれに適した治療法」を参考にしてみて下さい。

6-2.まずは肝斑から治療する

肝斑とは、紫外線やホルモンなどにより悪化する、女性に多い左右対称にできるシミです。

肝斑には、レーザートーニングや美白剤の軟膏治療、イオン導入など、様々な治療法が有効です。

しかし、フォトフェイシャルやレーザー治療は肝斑を悪化させてしまうので、注意が必要です。

実際の肝斑の写真です。

肝斑の治療の詳細は、「肝斑とは?治療で失敗しないために知っておくべき5つのこと」、「肝斑の原因と最もきれいに安く治療する方法」を参考にしてみて下さい。

6-3.まず気軽に全体を効率よく治療するにはトレチノイン・ハイドロキノン軟膏がお勧め

トレチノインは、皮膚の代謝を高め、それ単独でも小ジワやくすみ、肌質を改善させる効果があります。一方、ハイドロキノンは、メラニンの生成をおさえ、シミを改善します。両者を併用することでより高い効果を得ることが可能です。ただし、ともに副作用が起こり得る薬剤であるため、必ず医師の指導のもと、正しい使用方法を守ってください。

治療前/1.5ヵ月後・・・メラフェード(トレチノイン・ハイドロキノン)によるシミ・くすみ治療を受けられた方です。

全体的にシミ・くすみが薄くなっています。

口周りのシワも改善しています。

トレチノイン・ハイドロキノンの治療費:数千円~数万円

トレチノイン・ハイドロキノンの詳細は、「トレチノインとハイドロキノンを併用して綺麗になる悩み別の使用法」を参考にして下さい。

その他のシミ治療

・ レーザー療法

レーザー光が当たると、標的となった物質の状態を変化させることができます。

メラニンをターゲットとした波長の光(レーザー)を当てることで、主に日光によるシミを破壊することができます。

治療後は、炎症による色素沈着を予防するために通常10日間テープを貼り、遮光する必要があります。

治療費:数千円~1万円程度(面積によります)

・光治療(フォトフェイシャル・IPL

2000年に新規に治療用に開発された光の一種です。レーザーより出力が弱いため、効果が劣るものの、痛みが少なく、水ぶくれや赤みなどの合併症が起きづらいという長所があります。メラニンやメラニンを含む細胞を破壊する作用があるのでシミの改善効果を期待できます。

治療費:1~4万円程度

・皮膚塗布薬

ビタミンA誘導体のひとつであるトレチノインやレチノールを皮膚に塗布すると、光老化の症状である皮膚の萎縮や弾力低下などが改善することがわかっています。レチノールは多くの抗光老化化粧品に配合されています。また、アスタキサンチンを皮膚に直接塗布することによって、軽度なシミの改善が期待できます。アスタキサンチンは皮膚の細胞に発生した活性酸素を除去する作用があります。

7.すでにシワ・たるみが気になっている方の治療法

基本的には予防が大事なので、まずはそちらを意識して実践してみて下さい。

これを読まれている方の中には、すでにシワ・たるみが気になる方もいらっしゃると思います。

そのため、簡単に治療法をご紹介します。

7-1. シワ・たるみの原因である、コラーゲン減少を改善するグロースファクター

紫外線による光老化(外因性)によってコラーゲン層である真皮が薄くなったり、エラスチンと呼ばれるタンパク質が変性・減少したりすることで弾性力の低下がおこることで、シワ・たるみが起こります。

グロースファクターは、注射による治療法です。

皮膚のコラーゲンを増やす効果があります。

最終結果が出るまで、半年程度かかり、速効性はありませんが、効果は数年以上の長期にわたり維持されます。

・グロースファクターによる80代の方の治療例

施術前・・・顔全体を治療されました。

6ヵ月後・・・シワ・たるみが改善しています。

グロースファクターに関する詳細は、「グロースファクター|これから受ける方が必ず知っておきたい全知識」をご覧ください。

7-2.シミ治療にはトレチノイン+ハイドロキノン治療がおすすめ

トレチノイン・ハイドロキノンは、さまざまな種類のシミ・くすみの改善以外に、皮膚表面のコラーゲンを増やすことで小ジワを改善する効果があります。

施術前/4ヵ月後・・・ともにメイクなしの状態の比較です。

全体的にシミ・くすみが改善しています。

くすみが改善することで、法令線やマリオネットラインも浅くなったように見えます。

7-3.グロースファクターとトレチノイン+ハイドロキノン治療の併用による相乗効果

グロースファクターは皮膚の比較的深いところのコラーゲンを増やすので、両者を併用すると、相乗効果が期待できます。

 

施術前・・・シワ・たるみ・肌のくすみがある状態です。

顔全体のグロースファクター注入療法とメラフェード(トレチノイン・ハイドロキノン)治療を受けられました。

6ヵ月後・・・くすみも取れ、シワも浅くなりました。

その他のシワ・たるみ治療

以下の治療法は、グロースファクターほど効果は高くありませんが、比較的広く行われている治療法です。

どの治療法がご自分に合っているかは、信頼できる医師にご相談してみてください。

・器械による照射治療(レーザー・高周波・超音波)

レーザーや高周波により発生する熱でコラーゲンを増やす効果が期待できます。

ただし、グロースファクターほど増えるわけではありませんので、ほとんどの器械で繰り返しが必要になります。

また、熱により少し顔が腫れることで、一時的ではありますが、即時的効果が期待できます。

器械による照射治療の詳細は、「顔のたるみを改善するレーザーなどによるオススメ照射治療3種類」を参考にしてみてください。

・ヒアルロン酸注射

ヒアルロン酸は、注射により皮膚の下に詰め物をして、シワを持ち上げる治療法です。

特に法令線などに多く用いられます。

ヒアルロン酸注射の詳細は、「ヒアルロン酸によるほうれい線治療|効果と副作用のすべて」を参考にしてみてください。

・ボトックス注射

ボトックス(一般名:ボツリヌス毒素)は、主に目尻、額、眉間、口周り、アゴのシワを目立たなくするための注射治療です。

8.光老化(シミ・シワ・たるみ)改善の治療例

ここでは、年代別の光老化に対する治療の症例写真をご紹介いたします。

8-1.シワ・たるみが気になり始める30代の方(光老化:軽度)

30代は、光老化が出始める時期です。

グロースファクターによる治療を早めにされることで10年後がかなり違ってきます。若返り効果だけではなく、今後の老化防止効果も期待できるからです。

グロースファクターは、皮膚のコラーゲンを増やしますが、一度ご自身の体で作られたコラーゲンはそう簡単になくなりません。

一方、ヒアルロン酸やコラーゲンを注入しても、半年から1年程度で吸収されてなくなってしまいます。

その理由は、これらは、ご自身の体由来のものではないからです。

グロースファクターによるコラーゲンは、ご自身の体で作られたという点が大きく異なります。

皮膚のコラーゲンは、早ければ20代後半で減り始めを実感される方もいます。

例えば30代でグロースファクター治療をされた場合、数ヶ月前後で見た目の若返りが起き、その効果は数年以上にわたり長期維持されます。

その後、例えば10年経過して周りの同年代の方と比較されてみると、若返り効果が維持されているのに気づかれると思います。

 

治療前・・・笑った状態の比較です。

法令線がくっきり出ています。

頬と法令線のグロースファクター注入療法を受けられました。 

6カ月後・・・笑った時にシワが浅くなっています。

未治療のまま放置すると、動かす度に少しずつ深くなりますが、早めに治療しておくと、今後の光老化の予防になります。  

8-2.シミ・シワ・たるみを何とかしたい40代の方(光老化:中等度)

40代は、光老化が目に見えることが多い時期です。

40代の方では、どれだけ紫外線防御をされてきたか、あるいは子供の時や学生時代を含めて外で活動をすることが多かったかによって、症状が異なります。

①グロースファクターによる「手術しないクマ治療」(目の下+頬のグロースファクター)、

②メラフェードによる目の下のシミ治療

を受けられた方です。

 

術前・・・診察上の所見としては以下の通りです。

目の下には脂肪によるふくらみがあります。

その下にはくぼみがあり、頬のたるみも見られます。

また、シミが目の下から頬にかけて見られます。

5カ月後・・・皮膚のハリが出て、クマや頬のたるみが改善しています。

全体的にシミも改善しています。

グロースファクターの効果は少なくとも数年以上は維持されます。

目の下のクマについての詳細は、「なぜか疲れて見える!目の下のクマの6つの原因と治療法」を参考にしてみてください。

8-3.シワ・たるみで毎日が憂鬱な50代の方(光老化:高度)

50代は、光老化がかなりはっきりと出ている時期です。

 

施術前・・・比較的くっきりとした法令線があります。

また、マリオネットラインとつながりつつあります。

法令線・頬・口角のグロースファクター注入療法および、SR(光治療)およびメラフェード(トレチノイン・ハイドロキノン)によるシミ・くすみ治療も受けられています。

2年11ヵ月後・・・シワが目立たなくなっています。また、メラフェードとSRによる美肌効果も出ています。その後もいい状態は長期維持されます。

8-4. シミ・シワ・たるみをあきらめてしまった60代の方(光老化:重度)

60代は、光老化で悩んでいる方がほとんどだと思います。

60代の方では、シワがかなり深くなっていることもあります。

その場合でも、しっかりした治療を行うことで改善することが可能です。

①顔全体のグロースファクター(目の下・頬・法令線・口角)、

②メラフェードによるシミ治療

を受けられた方です。

施術前・・・目の下のクマ、法令線・ゴルゴ線・マリオネットラインがあります。

7カ月後・・・光老化が改善しています。

グロースファクターとメラフェードによる相乗効果が出ています。

肌全体の印象も明るくなっており、光老化に対して改善がみられています。

顔の筋肉を鍛えるトレーニングの有効性は?

表情筋トレーニングが本当に有効かどうかを知りたい方も多いのではないでしょうか?

実は、間違った方法で行うと逆にシワが悪化することもあるので、注意が必要です。

頬の筋肉がほどよく収縮するような正しい方法で行うと表情や笑顔は改善することもあります。

ただし、光老化にはあまり改善効果は見込めないと考えられます。

表情筋トレーニングの詳細は「その表情筋トレーニングは逆効果?医師が教える効果的なトレーニング」をご覧ください。

まとめ

光老化とは、長時間紫外線に当たることによる皮膚の変化をさします。紫外線は、皮膚の弾力低下や色素沈着を引き起こし、シワやシミの原因となります。日焼け止めや紫外線対策グッズなどで紫外線を予防すれば、光老化の症状を抑えることができるかもしれません。光老化の症状であるシワやシミの治療法には、レーザー療法や内服薬、塗布薬がありますが日頃から紫外線を防いで光老化の皮膚症状を起こさないことが大切です。

参考文献

Anti-Aging Medicine. 8(3). 23-29.2011

J lnvest Dermatol. 12: 1358-1366, 2007

Biotherapy. 24(3): 243-248, 2010

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