目の下のたるみが気になり悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
目の下のたるみは、目の下の皮膚のたるみ以外にも目の下の脂肪(眼窩脂肪)を包んでいる膜がゆるんで、眼窩脂肪が手前に飛び出してくることでも起こります。すると目の下に影ができたりして、いわゆる「目の下のクマ」と呼ばれる状態になります。
目の下にたるみがある方は、睡眠不足や疲れがなくても「疲れているように見える」とか「眠そうに見える」とよく言われたりします。世の中には様々なセルフ改善方法や化粧品などがありますが、目の下の凹凸の進行を多少予防したり、一時的に隠したりする効果はあっても、長期的にしっかりと改善させることは実際は難しいです。
しかし、目の下のたるみはクリニックで行う最新の治療法を受けると意外と簡単に治ります。目の下のたるみが改善すると「疲れているの?」と言われなくなるだけではなく、若々しく見られたり、元気に見られたりとメリットが大きいです。まず何よりもご自分で鏡を見るのが楽しくなったりします。今回は目の下のたるみを改善する根本的な治療法についてお伝えします。ぜひ、参考にしてください。
目次
1.目の下のたるみの起こるメカニズム
たるみとは何でしょうか?
簡単に言うと、「引き伸ばされて、伸びきっている状態」です。
では、目の下のたるみがおこる主な原因は何でしょうか?
それには以下の2つの原因があります。
・目の下の脂肪を包んでいる膜がゆるむ⇒目の下の脂肪(眼窩脂肪)が飛び出してくる
・目の下の皮膚のコラーゲンが減少⇒皮膚のたるみがおきる
また、目の下の脂肪が飛び出してくると皮膚(+眼輪筋)が引き伸ばされます。
さらに、皮膚のたるみがおきると目の下にシワ・くぼみが生じます。
その他、眼球やまぶたを支えているじん帯(眼球の下に横方向に橋渡しされています)のゆるみも関与していると言われています。
1-1.目の下の脂肪(眼窩脂肪)が飛び出してくる理由
眼球の下には眼窩脂肪と呼ばれる脂肪があります。
眼窩脂肪を包んでいる膜がゆるんでくると、この脂肪が手前に飛び出してくることで目の下にふくらみが生じます。
目の下の脂肪の防波堤となる頬の骨の角度・高さによっても飛び出しやすいかどうかが異なります。
骨が低い方は脂肪がこぼれやすいです。
さて、目の周りには眼輪筋という筋肉があります。
この筋肉の上に皮膚が乗っています。
老化や紫外線などの影響で皮膚が薄くなってくると、眼輪筋の下の縁にある段差(下の図の矢印)が透けてきます。
すると目の下にハの字状あるいはU字状にくぼみが生じます。
ふくらみとくぼみは下の図の位置に生じます。
このふくらみとくぼみは、同時に出てくることが多いです。
ともに内部(目の下の脂肪の膜)と外部(皮膚)の「たるみ」であり、一言で言うと「老化」の一症状です。
1-2.目の下の脂肪(眼窩脂肪)によるふくらみは年々増えてくる
「目の下の脂肪を包んでいる膜」は年々ゆるんできます。
目の下のふくらみは、放置すると年々進行します。
上記の矢印(⇒)が1段階上がるのにおよそ10年かかります。
1-3.目の下の脂肪(眼窩脂肪)によるふくらみの進行度別の症例写真
上記の①~③の段階ごとに軽度、中等度、重度として、各段階の特徴を見ていきます。
1-3-1.脂肪の突出が軽度(上記の①)の段階
上記①の段階では、ふくらみは軽度で、それほど目立ちません。
涙袋は比較的くっきりと保たれていて、目の下のくぼみもぼんやりとしていることが多いです。
目の下のたるみ・クマとしては「軽度」の状態です。
これくらいの方は、目の下のグロースファクターのみで治療可能です。
1-3-2.脂肪の突出が中等度(上記の②)の段階
上記②は、目の下のふくらみ+くぼみがはっきり分かる段階です。
目の下の脂肪の圧力が上がり、眼輪筋が透けて見えることで、赤色に見えることもあります。
脂肪の量が増えると涙袋が埋もれてくるため、涙袋と目の下のふくらみの境目が不明瞭になっていることもあります。
目の下のたるみ・クマとしては「中等度」です。
赤みが強い方は脱脂+グロースファクターがおすすめですが、赤みが少ない方は、目の下+頬のグロースファクターで改善可能なことも多いです。(後述)
1-3-3.脂肪の突出が重度(上記の③)の段階
上記③の段階ではさらに進行しています。
ふくらみがはっきりと目立つ状態です。
目の下のたるみ・クマとしては「重度」の状態です。
脱脂+グロースファクターが必要ですが、皮膚の弾力低下がある方は、小ジワのリスクもあるので、注意が必要です。
できれば、重度になる前の治療をお勧めいたします。
早めの治療がその後の予防にもなるためです。
1-4.目の下がたるんでいると、いわゆる「黒クマ(影クマ)」と呼ばれる
正式な医学的名称ではありませんが、目の下のクマを色で分けると黒・赤・青・紫・茶色に分類されます。
目の下のたるみにより生じるクマは黒クマ(影クマ)と呼ばれます。
次にご自分の目の下に黒(影)クマがあるかどうかを判別する方法をご紹介します。
まず、鏡を持って上を見てみましょう。
目の下の脂肪は「動く脂肪」なので、上を見た時に後ろに下がります。
そうするとふくらみが軽減します。
上を向いて改善したように見えるなら黒クマと判断できます。
ただし目の下の脂肪が多かったり、眼輪筋が厚い場合は上を向いても完全にふくらみが消えないことがあります。
目の下のクマの原因と見分け方についての詳細は、それぞれ「なぜか疲れて見える!目の下のクマの6つの原因と治療法」と「いつも疲れて見える30代~40代の方に朗報!目の下のクマの種類の見分け方と自分でできる解消法」をご覧下さい。
2. 目の下のたるみに対してご自分でできる対処法・予防法
まずはご自分でできる簡単な対処法をご紹介いたします。
外側である皮膚のたるみに関しては、紫外線防止が有効です。
なぜなら、紫外線によりコラーゲンが減少して皮膚が薄くなり、筋肉の境目が目の下のハの字のくぼみとして透けて見えてくるからです。
また、内部もふくめたたるみ改善には、糖質に気を付けたり、ヒートショックプロテインがある程度有効である可能性があります。
こちらは、眼窩脂肪を包んでいる膜が緩んでくるのを防ぐ効果が期待できます。
ただし、これらのご自宅でできる対策のみでは、ふくらみを改善するほどの強い効果や即効性は期待できないと考えて下さい。
ただし、一度治療により改善した方のその後の予防には役立ちます。
また、さらに言うと、美容面のみではなく、健康にも役立ちます。
2-1.紫外線防止(日焼け止めやサングラス)
目の下のたるみには皮膚の老化が関与しており、その原因の80%は紫外線です。
日焼け止めを塗って長期的な予防効果をすることが有効です。
日焼け止めはSPF30程度のものでご自分の肌にあったものを探してみてください。
できれば、日中は屋内でも塗るようにするとよいです。
その他、特に紫外線が強い時は、サングラスも有効です。
紫外線防止の詳細は、「医師解説!簡単に老化防止できる14の紫外線対策と日焼け止め選択法」を参考にして下さい。
2-2.糖質を控える
目の下の脂肪が飛び出してくる理由は脂肪を包んでいる膜がゆるんでくるためです。
この原因の一つとしては糖化ストレスがあります。
甘いものをとり過ぎないようにしましょう。
特に空腹時に甘いものをとったり、甘いものを長時間継続してとり過ぎるのが良くないです。
また、食事の際に血糖値が上がりにくい食材を選ぶのも重要です。(例えば白米より玄米など、GI値が低い食品を選ぶとよいです)
詳細は「【低GI値食材一覧】低GI値の食生活を行うための8つの注意点」を参考にして下さい。
2-3.蒸しタオルでヒートショックプロテインを誘導する
皮膚のたるみをできるだけ進行を遅らせるための手段として、蒸しタオルがあります。
蒸しタオルで温めることでヒートショックプロテイン(HSP)というたんぱく質が皮膚に作られます。これはコラーゲンを修復したり、紫外線のダメージを修復する効果があり、皮膚の老化防止が期待できます。
HSPは5分以上で作られ始め、6時間後にピークになります。
蒸しタオルの手順
42度(熱めのお風呂くらい)に電子レンジであたためた蒸しタオルを顔に載せます。
5分も経過すると蒸しタオルの温度が冷めますので、数分間を数セット程度行うとよいでしょう。
やけどには十分注意して下さい。
蒸しタオル以外にも、温泉、運動もHSPの効果が期待できます。
1日30分の運動を2週間続けるとHSPは増加します。ジョギングなどの30分の運動を週2回程度行うとよいです。1日10分程度の運動ではHSPは増加しないので注意が必要です。
入浴の場合、40~42度で20~30分入ると、2日後をピークにHSPが増加します。この入浴法は週に2回以上行うとよいです。入浴後10~20分は体を冷やさないように保温することがポイントです。
3. 自分でできる目の下のたるみ改善法~この情報は「嘘?」「本当?」
3-1.表情筋(顔の筋肉)の筋トレ・エクササイズ・トレーニング
表情筋トレーニングで目の下のたるみを改善させることができたという医学的根拠は今のところありません。
目の周りの眼輪筋を鍛えることで一時的に目の下の脂肪を引っ込めることは可能ですが、やめるとすぐ元に戻ってしまいます。
これはおなかの脂肪(内臓脂肪)が出てきて、腹筋を鍛えておなかのポッコリを隠すのには限界があるのと同じです。
ごく軽度の目の下のふくらみであれば、長期的にトレーニングを継続することで、多少効果があるかもしれませんが、実際に紹介してるサイトを見ても正確なビフォーアフターがほとんどないため、信ぴょう性には疑問が残ります。
表情筋トレーニングについての詳細は、「その表情筋トレーニングは逆効果?医師が教える効果的なトレーニング」を参考にして下さい。
3-2.美顔器
スチームによるものは、一時的な保湿効果のみで、ヤカンの湯気を当てているのとほぼ同じです。
瞬間的な保湿効果はありますが、目の下のたるみへの改善効果はありません。
超音波によるものやイオン導入も、皮膚のたるみの根本を解決することはできません。
特に眼窩脂肪は深いところにありますので、そこまで効果が到達するものは市販のものではまずありません。
そのため、目の下のたるみを改善させるほどの効果はあまり期待できないと考えてよいです。
3-3.クリーム・化粧品
ほとんどのものは保湿がメインの効果と考えてください。
たしかに保湿により小ジワくらいは改善可能です。
しかし、抗酸化作用を持つ成分はあくまでも予防効果程度で、多くの美容成分は目の下のたるみを改善させるほどの効果はありません。
また、EGF、FGF、コラーゲン、ヒアルロン酸などの成分も分子量が大きく、皮膚のバリアを通過することはできないため、基本的には皮膚の上に乗せているだけになります。
そもそも、国内で作られた化粧品は、厚生労働省の規制により有効成分の種類や濃度に制限があります。
医薬品の塗り薬でもクマをなくすほどの効果があるものはありません。
「深部に到達」や「ナノクリーム」などの表示・名称がある化粧品でも、角層の表面のみまでの到達にとどまり、皮膚の中心部である真皮まで到達することはありません。
ちなみに、注射であれば深部に直接薬剤を作用させることができます。
また、薬剤であれば、即効性があり、目に見える大きな効果を得ることができます。
4. クリニックで行う改善法
医療による目の下のたるみ改善方法には手術しない注射だけの方法と手術による方法に大きく分けられます。
手術しない方法が最近では主流ですが、仕上がりのきれいさは手術の方が上です、利点と欠点はそれぞれありますので、じっくりと検討されてください。
なお、時々「切らない目の下のクマ治療」とうたっていながら実際は「経結膜脱脂手術」(まぶたの裏を切る手術。「あくまでも皮膚は切らない」というロジック)のことを指している広告がありますので、気をつけて下さい。
4-1. グロースファクター注入療法
グロースファクターは注射により皮膚のコラーゲンを増やしハリを出すことで、シワ・たるみを改善する、注射による治療です。
目の下のたるみ・クマや顔のシワ・たるみを長期にわたり改善する効果があります。
目の下の脂肪の突出が前述の①軽度であれば、手術は不要で、グロースファクターのみでも治療可能です。
ヒアルロン酸や脂肪注入との大きな違いは、何でしょうか?
ヒアルロン酸や脂肪注入は、皮膚の下に詰め物をして膨らませるイメージなのに対して、グロースファクターは皮膚そのもののハリを改善して、目の下の凹凸感を改善させます。
グロースファクターのリスクには、腫れ、内出血、もの足りない可能性・部分的なくぼみ、変化に乏しい可能性、膨らんだ印象になる可能性、段差を触れる、感染、アレルギー、複数回の注入が必要になる可能性、違和感・軽い痛みなどがあります。
グロースファクターの詳細については、「グロースファクター|これから受ける方が必ず知っておきたい全知識」を参考にして下さい。
4-2. 経結膜脱脂手術+グロースファクター注入療法
目の下の脂肪の突出が中等度・重度であれば、経結膜脱脂手術+グロースファクター注入療法により改善します。
・経結膜脱脂手術・・・まぶたの裏側から飛び出している目の下の脂肪を取る治療法です。
上の図の赤線で囲っているところが目の下の脂肪の飛び出している余分な部分です。
そこを取ると、目の下のふくらみはすっきりします。
青い矢印で示すまぶたの裏側からの進入経路が最短距離です。
目薬の麻酔と局所麻酔の注射をまぶたの裏側にした後、結膜を切開して、飛び出している余分な分だけ脂肪を取ります。
・経結膜脱脂法の手順
経結膜脱脂法は、このように目をつぶった状態で、ガーゼで目隠しをして行います。何も見えないので怖くないと思います。
下まぶたを裏返すと、脂肪がある程度ある方は、まぶたの裏側がある程度ポコッとふくらみます。
そこを1cm前後切開します。
手術時間は40分から60分程度です。手術時間は確認を丁寧に行うか、止血処置を丁寧に行うかでクリニックによって変わってきます。脂肪の取り残しがないかの確認作業を怠ると仕上がりに不備が出たりすることがあります。
また、止血処置が甘いと術後に内出血の確率が上がります。
経結膜脱脂手術のリスクには、内出血、腫れ、小ジワ、たるみ、目やに、感染、アレルギーなどがあります。
経結膜脱脂法ついての詳細は、「経結膜脱脂法とは|手術前に必ず知っておくべき10の知識」を参考にして下さい。
・グロースファクターでくぼみが治る理由
経結膜脱脂手術(脱脂)によりふくらみを取るだけでは仕上がりは十分ではないことが多いです。そこで脱脂後にグロースファクターを注入することでくぼみを改善させるときれいに仕上がります。
上の図は、左から、①脱脂前、②脱脂直後、③グロースファクター後の状態を示します。
①脱脂前・・・脂肪が飛び出してふくらんで見えます。
②脱脂後・・・ふくらみは取れても、皮膚はたるみがある状態なので、くぼんで見えます。
③グロースファクター後数ヶ月・・・コラーゲンを増え皮膚のハリが出ます。塊を作るわけではありません。たるんだ皮膚がピンと張ることで、くぼみが改善します。 さらに小ジワにも効果があります。
4-3.その他の治療法との比較
目の下のたるみ・クマの治療法と満足度について比較します。
ヒアルロン酸や脂肪注入はあまりお勧めしません。
仮に治療を受けるとしても口コミ、経歴、症例写真などを参考にしましょう。
その理由は、ともにしこりや凹凸のリスクがあるためです。
特に目の下の皮膚の薄い方は注意が必要です。
また、ヒアルロン酸は繰り返しが必要になります。
その他に脂肪溶解注射を行っているクリニックもありますが、これは動かない脂肪を減らす治療で、ふくらみ(動かない脂肪)が大きい方には効果がないので注意が必要です。
治療法 |
評価(5段階) |
詳細 |
グロースファクター注入 |
★★★★★ |
腫れはほとんどなし。 |
ヒアルロン酸注入 |
★ |
効果が半年~1年と一過性。 |
脂肪注入 |
★★ |
注入後に吸収されることで最終的なボリュームは注入時よりも小さくなる可能性があります。(術後にくぼみが残るリスク) |
PRP |
★ |
血液を採取する必要がある。 |
ハムラ法について
脂肪の入った袋を一旦はがして、移動させた後に糸で骨の表面に固定する方法です。比較的大掛かりな治療です。侵襲(体への負担)は経結膜脱脂より大きいです。ハムラ法の術後は癒着が強くなりやすくなります。そのため、再手術ではどうしても腫れ・内出血が出てしまう確率が上がります。
初回手術は、ハムラ法よりも経結膜脱脂のような癒着が少ない術式を行った方がよいと考えます。
目の下のたるみ取り手術(皮膚を切る手術)について
皮膚を取る術式は元々古い方法です。
この方法では、皮膚側に傷ができ、1週間糸が付いた状態で過ごす必要があります。
また、取りすぎによりあっかんベーのような状態になってしまうリスクがあります。
実は、99%以上の目の下のたるみがグロースファクターのみまたは脱脂との併用で解決可能です。
つまり、皮膚を取る方法はよほどの場合のみです。
脱脂後に多少のたるみが残ったとしても、グロースファクターなどで修正可能な場合がほとんどで、修正のためにたるみ取り手術を必要とすることは非常にまれです。
まれに必要になる方の特徴として、皮膚の弾力が低下している方です。
紫外線や糖化ストレス、喫煙、加齢などの影響により弾力が低下します。
・器械による照射治療で目の下のたるみは改善できる?
照射治療は、皮膚または筋膜に熱を与え、皮膚のコラーゲンを増やしたり、熱による収縮をおこし、引き締めを起こす原理の治療です。
実際、目の下の脂肪によるふくらみが大きければ、皮膚の引き締めのみでは改善は難しいことも多いです。
また、アグネスは、針を皮膚に刺し、その先端から高周波を出し、その熱で脂肪を縮ませる治療です。こちらもくぼみを伴う場合は凹凸感が残ることもあるので、ご自分に近い症例写真をしっかり吟味することをお勧めします。
5.目の下のたるみの有効な治療法をご自分で判断する6つのポイント
ポイントとして、「脱脂手術をされたほうがいい方」は以下に当てはまる方です。
・笑ったときに脂肪が出る方・・・グロースファクターのみですと残る可能性があります。
・赤みがある方・・・脂肪の量が多め(中等度以上ある方)の場合、ふくらみが残る可能性があります。
・涙袋が消えている方・・・同上
もちろん、脂肪の量が重度なら脱脂を受けられた方がよいと考えます。
ここでは、ご自分でどの治療方法が向いているかを判断する方法をお伝えします。
5-1.目の下の脂肪の量を確認する
・まつ毛の下に涙袋がありますが、これが比較的保たれていれば、脂肪の量は「軽度」です。
涙袋の位置です。
軽度の例・・・涙袋が保たれています。
・涙袋が隠れていたり、目の下のふくらみに赤みがあったりすれば、「中等度」になります。
中等度の例・・・涙袋がほとんど不明瞭で、赤みもあります。
・目の下のふくらみの範囲が外側まで及べば「重度」になります。
重度の例・・・巨大な涙袋のように見えます。
また、ふくらみは袋のようにも見え、「目袋」とも表現されます。(英語ではbaggy eyelidと呼ばれます)
5-2.経結膜脱脂手術は軽度~重度のどれにも対応可能
脱脂手術はふくらみを完全にきれいにする一番確実な方法です。
ふくらみの量によらず対応可能です。
注射のみによる治療よりは腫れや内出血などのリスクは高いですが、それを受け入れられれば、仕上がりは満足度が一番高いことが多いです。
一時的な治療は結局長い目で見たら、治療期間や回数、費用もよりかかってしまうことが多いです。
5-3. 目の下のふくらみが軽度の場合はグロースファクターのみの治療でも有効
目の下のふくらみが軽度の場合は、グロースファクターのみの治療でも有効なことが多いです。
施術前・・・目の下には脂肪による軽度のふくらみがあります。(右>左)
また、うっすらとハの字状にくぼみがあります。
施術直後・・・多少赤くなっているのは、冷やしたためで、一時的なものです。
注射の跡もほとんど目立ちません。
3ヵ月後・・・皮膚のハリが出ることで、目の下のクマが改善しています。
5-4.中等度のふくらみがある方はグロースファクターのみの場合は、目の下+頬まで治療する
脂肪の量が中等度の場合、凹凸が比較的大きいことが多いです。
そのため、目の下だけでは不十分なことが多く、頬の領域まで治療された方が目の下にハリがしっかり出るためにきれいに仕上がります。
①が目の下、②が頬の領域です。(範囲は多少個人差があります)
グロースファクターは、隣り合った部位の施術で相乗効果が発揮されます。
目の下と頬は隣接した部位です。
両方を施術すると、一枚の皮膚でつながっているため、お互いに綱引きのように引き合うことで、効果がより高まります。
なお、軽度の場合は、グロースファクターのみでも治療可能ですが、笑った時などにふくらみが出ることもあり、脱脂の方が明らかにすっきりとします。
CASE1.
施術前・・・中等度の脂肪があります。
施術直後・・・目の下+頬のグロースファクター注入療法を受けられました。
冷やして赤くなっているのは一時的なものです。
所々に注射の跡がありますが、あまり目立たないと思います。
2年4ヵ月後・・・目の下の脂肪のふくらみが多少残っていますが、最初に比べるとだいぶ改善しています。
目の下のくすみに関しては、メラフェードも併用されています。
施術前・・・斜めから見た状態の比較です。
2年4ヵ月後・・・頬までハリが出ている印象です。
CASE2.
施術前・・・中等度の脂肪があります。
8ヵ月後・・・脱脂は行っていないのでふくらみはそのままですが、くぼみが改善することで、クマが目立たなくなっています。
ただし、頬は治療されておらず、その分ふくらみが多少残っている印象です。
施術前・・・笑った状態を比較します。
8ヵ月後・・・笑っても凹凸が出にくくなりました。
ただし、ふくらみは少し見えています。
5-5.グロースファクターのみの治療を行う場合は、くぼみの範囲を確認する
頬の領域までくぼみがある方は、目の下+頬まで治療をされると、リフトアップした印象にふわっと仕上がります。
施術前・・・診察上の所見としては以下の通りです。
1.他院にて脱脂後とのことですが、脂肪は少し残っているようです。(右<左)
2.目の下にはくぼみ・小ジワがあります。
3.頬にはゴルゴ線があり、目の下のくぼみとつながっています。
施術直後・・・冷やしたため少し赤味がありますが、これは1時間以内に治まります。
注射の跡が所々あります。
3ヵ月後に法令線のグロースファクター注入も受けられました。
6か月後・・・目の下のくぼみが改善され、頬がリフトアップしています。
5-6.目の下にシミ・くすみがあるか確認
目の下のシミ・くすみによるクマは、「茶クマ」と呼ばれ、ふくらみを取る経結膜脱脂手術やくぼみを改善するグロースファクターでは解決しません。
まずはシミがあるかどうかを確認しましょう。
また、シミがあることで、術後に凹凸がないところがくぼみのように見えることがあります。
特に洗面所や電車の窓などの暗い場所での上からの光でそのように見える傾向があるので注意してください。
目の下にシミ・くすみがある方は、レーザーや光治療は目への影響から行いにくい場所であるため、トレチノイン・ハイドロキノン(メラフェード)をお勧めいたします。
メラフェードの詳細は、「写真で解説!メラフェードの6つの美肌効果」を参考にして下さい。
茶クマの見分け方の詳細は、「いつも疲れて見える30代~40代の方に朗報!目の下のクマの種類の見分け方と自分でできる解消法」を参考にして下さい。
目の下のたるみ治療を受けるクリニック選びのポイント
・症例数が多い・・・美容医療は論より証拠ですので、症例写真できれいになっている実例が多ければ、うまくいく確率が高いと言えます。
また、笑っている写真も必ず確認したほうがいいです。
真顔ではきれいな仕上がりでも、笑うと注入物が浮き出たり、小ジワが多いという可能性もあります。
・専門でやっている・・・一口に美容医療と言っても、鼻や輪郭、顔以外などの部位などさまざまな治療個所があります。
目の下のひとつ取っても奥が深いので、どれかを専門でやっているところはそれなりに治療成績もいいことが多いです。
・体験談が豊富・・・同じような治療を受けた方の体験談は参考になることが多いです。
同じ治療を受けても経過が異なることがあるので、できるだけ多くの体験談を読むことで、治療後の心構えができるかもしれません。
また、カウンセリングは複数のクリニックで受けられることをお勧めします。
同じ治療についても様々な意見があることもまれではありません。
ある治療を勧められたり、逆に否定されたりすることがありますが、その理由に関して深く聞くようにすれば、真実が見えてくると思います。
可能であれば、受診前にクリニックに顔写真を送り、メールカウンセリングをまずはしてみて下さい。それに対してきちんと親切に答えてくれるかどうかで判断するのもいいでしょう。
6.目の下のクマの治療例
6-1.手術しないクマ治療(グロースファクターのみ)
・CASE1.
施術前(メイクなし)・・・目の下にはふくらみ+くぼみがあります。
また、赤みと色素沈着もあります。
施術前(メイクあり)・・・メイクをしても赤みは隠せていません。
施術直後・・・よく見ると注射の跡がわずかに見えます。
6ヵ月後・・・目立たなくなっていますが、多少ふくらみが目立ちます。
また、赤みは多少残っています。
結局、この方は脱脂手術を追加で受けられました。同時にグロースファクターも少量追加投与されています。
脱脂後6カ月・・・くぼみが改善することで、クマが目立たなくなりました。
赤みも改善しています。
また、コラーゲンが増え、皮膚が厚くなることで赤みが透けづらくなる効果もあります。
脱脂後6カ月・・・笑っても違和感はありません。
このように、まずはグロースファクターのみで様子を見て、脱脂手術を後から追加することも可能です。
・CASE2.
①グロースファクターによる「手術しない目の下のクマ治療」、
②メラフェードによるシミ治療
を受けられました。
施術前・・・所見としては以下の通りです。
1.涙袋は少し不明瞭になりかけています。
2.目の下の脂肪によるふくらみは軽度あります。
3.その下にうっすらとくぼみがあります。(影クマ、黒クマ)
4.くぼみのところに多少シミがあります。(茶クマ)
施術直後・・・少し赤くなっているのは冷やしているためです。
よく見るとポツポツと注射の跡があります。
1週間後・・・この時期は、水分が一旦抜けて元に戻ったように見えることも多いです。
3ヵ月後・・・改善傾向が見られていますが、半年くらいかかることもあるので様子を見ます。
9ヵ月後・・・だいぶ目立たなくなりました。
涙袋も引き締まっていて、さらに肌のくすみも取れています。
9ヵ月後・・・笑った状態です。
違和感はありません。
また、触ってもどこにグロースファクターを注射したか分らないくらいなじんでいます。
施術前・・・斜めから見た状態です。
横から見ると、茶クマもあるのがわかります。
9ヵ月後・・・脂肪を取っていないので多少凹凸はありますが、自然な仕上がりです。
施術前・・・反対側です。
9ヵ月後・・・きれいになっていますね。
・CASE3.
グロースファクターによる「手術しない目の下のクマ治療」を受けられた方です。
術前/1年6ヵ月後の比較
もともと涙袋は比較的はっきりしています。
脂肪の量は少な目です。
その下にはくぼみがあります。
皮膚のハリが出ることで、ふくらみはそのままですが、くぼみが改善しています。
1年6ヵ月後の笑った状態です。
違和感はありません。
なお、この方はメラフェードによるくすみ治療もされています。
術前/1年6ヵ月後・・・斜めから見た状態です。
皮膚のハリが出るだけでも印象は改善しています。
6-2.手術(経結膜脱脂+グロースファクター)によるクマ治療
・CASE1. 50代 女性
術前/6カ月後
こちらの方は、「インターネットで検索してみると、こちらのクリニックが目の下のたるみクマ専門治療ということで目にとまり、症例数もたくさんあって先生も丁寧に説明をして下さったのでこちらで手術を受けることに決めました。 手術当日は、とても緊張していたのですが、院長先生やスタッフの方々が声をかけて下さったので気持ちも落ちつき無事に手術を終えることができました。最終結果はとても満足しています。」とおっしゃっていましたが、良い結果を出せて大変うれしく思いました。
・CASE2. 40代 女性
こちらの方は、「カウンセリング時の、院長先生の説明が丁寧でわかりやすく、こちらの相談に真摯に対応して下さったこと、スタッフの皆様も優しく細やかに接して下さったことから、施術をお願いすることにしました。施術中、院長先生が『大丈夫ですか?痛くないですか?』と何度も声をかけて下さり、麻酔を適宜追加して頂いたので、引っ張られるような違和感はありましたが、ほとんど痛みを感じることはありませんでした。グロースファクターの注射は、注射の痛みより氷で冷やすときの冷たさや圧迫が若干辛かったです。 翌日、かなり腫れてしまい、内出血も数か所あったので不安でしたが、1週間後に腫れは治まり、2週間後くらいに内出血は消えました。術後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月と徐々に効果が表れていることを実感することが出来て、嬉しく思いました。6ヶ月後に法令線に、9ヶ月後に左目下にグロースファクターを追加して頂き、さらに良い状態になりました。」とおっしゃっていましたが、良い結果を全体的に出すことができ、とてもうれしく思います。
CASE3. 30代 女性
こちらの方は、「病院のチョイスですが、こちらの病院はこの手術に特化していたのとHPの説明がきちんとしていたので決めました。個人で大きい病院でないからか割と細かくこちらのニーズに答えてくれます。私が思うのは、値段もありますが自分が満足して体に負担を少しでもかけないことが大事だということです。こちらは問題ないと思います。
グロスファクターは自然で長持ちするのでオススメです。」とおっしゃっていましたが、当院を選んで頂き、とてもうれしく思いました。
CASE4. 40代 男性
こちらの方は、「私の場合、右目の手術は眼球を棒で押される痛みを感じましたが、左目はまったく痛みが無く、寝てしまうほどでした。決して無痛ではありませんでしたが、術後の結果を考えれば我慢できます。私は除去する脂肪が多かったこともあり、1週間は顔がはれていました。その後はすぐに落ち着いてきて、膨らみもなくなりました。目の下の膨みや、法令線で悩んでいる方は、費用対効果を考えても手術した方がいいと思います。私は手術をして大変満足したので、妻にも手術を受けさせることにしました。それぐらい満足しています。」とおっしゃっていましたが、ご満足頂き、大変うれしく思いました。
CASE5. 50代 女性
こちらの方は、「このクリニックに決めたのは、症例が多く紹介されていたこと、と、他よりもダウンタイムが短いこと。そして何より院長先生の穏やかな様子でした。また、施術の予約について、ちょっとしたトラブルがありましたが、良心的に対応していただいたので信用が持て、安心して施術を受けることが出来ました。術後の些細な疑問も、メールにて丁寧に答えていただき、不安も解消されました。術後1週間目では、まだ全体的に顔が重く、スッキリしない感じが自分の中ではありましたが、職場やまわりの人からは、気付かれなかったようです。今、3ヶ月経って『実は、目の下のたるみを取る手術をしたんだ。』と、友人などに話すと、『そう言われてみれば最近キレイになったと思ってた。』と言われます。結果としてはとても満足しています。これならもっと早く施術を受ければ良かったのに・・・!!と、つくづく思っています。」とおっしゃっていましたが、勇気をもって決断していただき、また結果も良く、大変うれしく思いました。
CASE6. 30代 男性
CASE7. 30代 女性
こちらの方も、「ありとあらゆる病院を探しましたが、この病院が一番、口コミがよく、一度診察に行った時、加治佐先生の、知識の豊富さと人柄に安心感を感じました。私は美容クリニックが苦手なのですが、この病院は、普通の病院という感じと、スタッフや看護婦さんも、清潔で優しいので、とても気に入りました。手術は、全く痛みはなく、終わってからも、はれたり、むくんだりする症状は、私にはでませんでした。もっと早くやればよかったと思います。今は、写真映りもよくなり、朝は、楽なので、とても幸せです。正直、とってもきれいになったと思います。」とおっしゃっていましたが、心から喜んで頂き、また「幸せ」というお言葉を頂き、心から嬉しく思いました。
まとめ
目の下のたるみは顔の中でもインパクトの大きい悩みで、印象を左右するという意味ではとても深刻です。目の下のたるみをきれいにしておくことは、周りからみた印象だけではなく、ご自身の気分も変わります。早めに治療することで今後の予防にもなります。もし気になるようであれば、セルフケアを何年も続けるよりは専門のクリニックに相談すると早期解決できると考えます。