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ハイドロキノンをはじめる前に知っておきたい5つの副作用

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ハイドロキノン 副作用のアイキャッチ

シミに悩んでいて、ハイドロキノンに興味がある方の中には、副作用が心配な方も多いのではないでしょうか?

ハイドロキノンは、メラニンの生成をおさえることでシミを改善する塗り薬で、化粧品にも濃度に規制はありますが配合されていることもあります。

実は、気軽に使用できるハイドロキノンには、副作用がいくつかあります。

知らないかったことで、効果をうまく出せなかったり、逆にシミが悪化することもあります。

しかし、事前に注意点を心得ておくことで、リスクを最小限にできます。

この記事では、ハイドロキノンにどのような副作用があるのかについて、また、副作用を防ぐための注意点について解説していきます。
これを読んでいただくことで、ハイドロキノンをうまく活用して、シミ・くすみとは無縁な肌を手に入れることができると考えます。ぜひ、参考にしてください。

1.ハイドロキノンの一般的な副作用とその対策

1-1. 一次刺激(赤み、ピリピリ感)・接触皮膚炎

ハイドロキノンでは皮膚炎を生じることがあります。ハイドロキノンの刺激症状は、2週間程度継続すれば自然に落ち着いてくることが多いです。

なお、トレチノインを併用している場合は、トレチノインの皮膚炎とまぎらわしいことがあります。

ハイドロキノンはトレチノインと一緒に使用することにより皮膚の代謝が上がり、シミが早く落ちやすくなりますが、トレチノインでも赤みなどの症状が使い始めに起こる場合があります。トレチノインの皮膚炎症状は使用を継続するごとに落ち着いてくることがほとんどです。

トレチノインの副作用については、「トレチノインの意外と怖い副作用|これを知らないと失敗する7つのポイント」を参考にして下さい。

・対策

ハイドロキノンによる皮膚炎症状は、ほとんどがアレルギー性ではなく刺激性で、投与量が多いことが悪化の原因です。そのため適切な使用量や使用方法、 使用回数などを守ることによって解決できることが多いです。

 また、事前に試し塗りやパッチテスト(少量塗布後に絆創膏を貼り、24時間後にチェックする)をすることをお勧めします。

1-2.白皮症・尋常性白斑(白抜け)

ハイドロキノンは、メラノサイト自体に対しても毒性があり、薬剤性脱色素斑などを生じる副作用が報告されています。

高濃度のハイドロキノンを使用した場合に起こりやすいといわれています。

また、ハイドロキノンモノベンジルエーテルという薬品がありますが、これはハイドロキノンとは別な美白剤で、現在日本では化粧品への配合は禁止されており、医師の処方のみで使用可能です。

5%程度のハイドロキノンでは白い色抜け(白斑)は報告されていません。ハイドロキノンは、ハイドロキノンモノベンジルエーテルよりも色素細胞への毒性が弱く、その作用は可逆的です。つまり強い紫外線を浴びると元に戻ってしまいます。

その他、染毛剤皮膚炎後にハイドロキノンを使用することで白斑がまれに起こることがあります。

パラフェニレンジアミン(PPD)と呼ばれる、染毛剤に含まれる物質とハイドロキノンの交叉感作の可能性が原因とされています。

染毛剤皮膚炎症例のパッチテストでPPD強陽性症例でハイドロキノンにも交叉感作で陽性を示す症例があることが知られています。

・対策

5%以上の高濃度のものを避けて下さい。

染毛剤かぶれの既往がある方は、医師に相談してください。

1-3. 指趾末端や爪甲、四肢の色素沈着

6~8%の高濃度でやや長期多量に用い、日光曝露やレゾルシノールやフェノールなどと併用した場合に丘疹状や斑状の色素沈着、および爪甲色素沈着をきたした報告例があります。

しかし、これらの例では色素沈着は使用中止で可逆的に回復したとのことです。

その他、57歳および69歳女性で、脱色クリームに含有された2%以下のハイドロキノンを、それぞれ3年間および8週間、ともに12回使用し、爪の褐色化がおこったという報告があります。(Mann and Harman, 1983)

その他、むだ毛脱色剤使用でハイドロキノン塗布部に色素沈着をきたした例もあります。

46歳、女性で、左右の膝部、外果部の色素沈着に対して約1年間2%ハイドロキノン製剤を使用していたところ、

ハイドロキノンを塗布していた場所に黒褐色の色素沈着を生じました。

1か月後、色素斑は薄くなり縮小しました。

ハイドロキノンは不安定で酸化されやすいため、むだ毛脱色剤により酸化され、黄色のベンゾキノンあるいは黒色のキンヒドロンに変化したために起こったものと考えています。

・対策

シミ以外の部位への塗布を避けて下さい。

むだ毛脱色剤にアレルギーがある方はハイドロキノン以外の美白剤を使用するとよいです。

1-4.外因性組織黒変症

スキンタイプ45(日焼けしてもすぐ黒くなる皮膚のタイプや皮膚がもともと色が濃いタイプ)で外因性組織黒変症(exogenous ochronosis)の報告が、南アフリカ、インドやブラジルなどの論文で見られます。

こめかみや頬などに暗青色の色素沈着が起こります。

日本ではあまり報告はありません。

ハイドロキノンによりホモゲンチジン酸オキシダーゼという酵素が阻害されることで生じると考えられていますが、はっきりとした原因は分かっていません。

外因性組織黒変症は、もともと下腿の皮膚潰瘍の治療にフェノールを使用していた頃に副作用として1900年代初頭に報告されました。

その後、同じフェノール基と呼ばれる化学構造を持つハイドロキノンでも起こることが1970年代に報告されています。

もともと皮膚の色が濃い人種で、5%以上の濃度のハイドロキノンを長期間にわたり使用することで起こるとされていましたが、近年はどの人種でも起こりうるということと、低濃度のハイドロキノン(2%)、短期間(6ヶ月)でも起こりうるという報告があります。

・対策

赤み、炎症などの異変を感じたら早めに使用中止することで防げます。

治療法はシミ用のレーザーなどがあります。

ハイドロキノンは写真の現像などで工業的にも使用される物質です。

イーストマン・コダック社の焼き付けおよび製版工場に従事する478名では、病気や発癌などの増加はみられなかったという報告があります。(Friedlander et al.,1982

一方、化学薬品工場で長年暴露された労働者3名で、角膜と結膜の色素沈着(角膜にハイドロキノンの酸化物の沈着)、視力低下が報告されています。(Nauman, 1966)

1-5.慢性的な使用によって引き起こされる副作用

慢性的な使用によって引き起こされる主要な副作用は、色素沈着斑状、外因性組織黒変症、皮膚炎、強膜および爪の色素沈着、外因性組織黒変症部位の扁平上皮癌および皮膚および白内障の治癒能力の低下が報告されています。

・対策

1年以内に一旦中止して休薬期間を置き、半年から1年程度してから再開することをお勧めします。

2.ハイドロキノンの副作用の発生率

日本人58例(男性1例、女性51例、年齢は372歳、老人性色素斑が16例、炎症後色素沈着15例、肝斑14例、雀卵斑3例)のハイドロキノン使用例を調べたある研究では、副作用は8例(15.4%)に見られています。

副作用の出た症例の内訳は以下の通りです。

  • 「紅斑出現」3
  • 「少し刺激あり」2
  • 「少しピリピリ」2
  • 「痒み」1

ハイドロキノンの副作用発生率

副作用が出現しても、紅斑の1例を除いては、大部分の症例(6例)で無処置にて使用を継続するうちに副作用が消失しました。

また、残りの1例についてはステロイド外用剤を併用して使用の継続が可能でした。

また、紅斑により使用中止となった1例についても、使用中止後ステロイド外用剤によって回復しました。

海外の使用例では5%ハイドロキノン製剤で32%、4%製剤で25%に副作用が発生したとする報告もあります。

ハイドロキノンによる刺激症状の発現率は黒人よりも白人のほうが高かったとする報告もあります。

人種差による発生率の違いはあると考えられます。

3.副作用への対策

ハイドロキノン製剤については次のような注意が必要と考えます。

3-1.医師の指導のもと適量を使用する

使用量や塗布方法は医師の指示通りにしましょう。

また、市販のハイドロキノンを使っている場合でも、親切な医師なら相談に乗ってくれる場合があります。

3-2.副作用の存在を知っておく

刺激症状があった場合や皮膚の色の変化があった場合は副作用を疑うことで、デメリットを最小限にできると考えます。

3-3病変部位以外に塗布しない

副作用のリスクをできるだけ少なくするため、シミ以外の場所には極力塗らない方がよいです。

3-4.重ね塗りしない

量が増えることで副作用のリスクも増えます。

シミをカバーできる量だけを塗るようにします。

3-5.漫然と使用し続けない

副作用に配慮して症状改善の有無にかかわらず、1年以内に一旦中止することをお勧めします。

半年~1年後に治療再開して下さい。

3-6.妊娠中は使わない

外用したハイドロキノンの3545%は皮膚から吸収されるという報告があります。

妊娠中のハイドロキノン外用がリスクを増加させるとは言い切れませんが、念のため使用を控えた方が良いと考えます。

4.各国のハイドロキノンの濃度規制について

古くからハイドロキノンは漂白剤として米国で使用されていましたが、その刺激性などの副作用ために厚生労働省はその使用を長い間認可していませんでした。

そのため、多くの美容皮膚科では院内調剤による5%のハイドロキノンを使用していました。

しかし、ハイドロキノンは米国ばかりでなく、ヨーロッパやアジア諸国でも化粧品としても使用されていることから、2001年以降は4%以下なら化粧品にも配合可能となりました。

日本では医師による処方は45%以上の濃度のものも可能です。

米国でも2%以下のものを市販で入手することが可能ですが、EUでは、2001年に化粧品へのハイドロキノンの配合は禁止されました。

5.その他の知っておくべきハイドロキノンのデメリット

5-1.日光性色素斑、雀卵斑(そばかす)ではレーザーほどはきれいにならない

日光によるシミやそばかすでは、ハイドロキノンだけではレーザーや光治療ほどの効果はなかなか期待できません。

ただし、肝斑や炎症性色素沈着などの皮膚の浅いところにできるシミであれば数ヶ月の塗布で改善を期待できます。

時間をかけて徐々に薄くしていくので、毎日鏡を見ても変化に気づきにくいことがあります。

5-2.継続しなければ中止により徐々に元に戻る

ハイドロキノンを含むいずれの美白剤においても効果が出ても継続しなければ中止により徐々に元に戻る可逆的なものです。

ただし、紫外線予防をすることで、いい状態を維持できる可能性があります。

5-3. 熱や酸素で変色すると副作用が増える

ハイドロキノンは容易に酸化され、有毒なベンゾキノンになります。

黄色くなっていたり、刺激感を生じるような場合には無理な使用は控えた方がよいです。

まとめ

ハイドロキノンは塗るだけで気軽にシミを治療できますが、思わぬ副作用が潜んでいます。正しい知識を持つことで、シミのないきれいな肌を手に入れることができます。ぜひ、参考にしてみて下さい。

参考文献

An Bras Dermatol. 2010;85(5):699-703.

臨床皮膚科 (0021-4973)617 Page490-492(2007.06)

Bella Pelle   1(1): 55-58, 2016.

日本病院薬剤師会雑誌 44(10): 1495-1498, 2008

コスメティックQ&A事典化粧品のすべてがわかる. 中央書院. 2011

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