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画像でわかるトレチノインの効果と効果を最大限高める9つの注意点

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お肌に良いとしてトレチノインの知名度は上がってきています。
トレチノイン(レチノイン酸)は、ビタミンAの誘導体(変化したもの)(=レチノイド)で、元々肌に栄養として存在しています。塗り薬として、ハイドロキノンという美白剤と一緒に使われることが多い医薬品です。

・トレチノインがニキビに効果的と聞いたけどどうなんでしょうか?
・毛穴や老化防止にどの程度効果があるのでしょうか?

このような質問を多くいただきます。
トレチノインの効果は、一言で言うと、美肌・老化防止効果です。医薬品として効果が確認されているものであり、トレチノインをうまく使えば、比較的短期間で肌を劇的に若返らせることも可能です。
しかし、正しい使い方をしなければその効果は半減してしまします。
そのため、ここではシミ、小ジワ、ニキビ、毛穴、老化防止それぞれについてどのような効果があるのかについて、また、より高い効果を得るための注意点を詳細に解説していきます。
読んでいただくことで、トレチノインで得られる効果を理解し、利用するかの判断に役立てていただけると思います。また、利用する場合においても、より高い効果を出す実践方法を身につけていただけます。
ぜひ、参考にしてください。

1.トレチノインが美肌をもたらす5つのメカニズム

皮膚には、表皮と真皮があります。

表皮は細胞の重なりによってできています。

深部で生まれた表皮角化細胞は、代謝されながら古いものは表面に押し出され、死んだ細胞が表面の角層を作っています。

角層は皮膚のバリア機能と保湿機能を持ち、外部の有害物質や乾燥から皮膚を守る役割があります。

また、表皮にはメラニンを作るメラノサイトという細胞があります。

一方、真皮には線維芽細胞という細胞があり、コラーゲン、エラスチンといったタンパク質やヒアルロン酸などの皮膚の材料をつくります。

skin 表皮、真皮

トレチノインは、表皮と真皮の細胞のDNAに作用し、細胞レベルで健康な状態に戻し、若返り効果を発揮します。

食物からとられたビタミンA(レチノール)は、体内の酵素により、レチナールという物質を経てレチノイン酸に代謝されます。レチノイドとはこれらの総称です。

トレチノインは、レチノイン酸のうち、トランス型と呼ばれる構造のものを薬剤として合成したものです。

レチノイド概念図

1-1. 表皮の細胞の成長をうながし、表皮が厚みを増す

年齢や紫外線の刺激などとともに表皮の代謝に異常が起こります。

トレチノインは、表皮の代謝をうながし(ターンオーバーを高める)、健康な表皮角化細胞(ケラチノサイト)をつくります。

表皮の代謝サイクルは、通常は4週間程度かかるところが、2週間程度に早まります。

1-2. 皮膚の修復力を高める

細胞の分裂頻度が高くなって、表皮の代謝速度も速くなるためです。

古い皮膚が外に出ていって、新しい健康な表皮ができます。

1-3.紫外線を吸収し、ダメージから皮膚を保護する

紫外線は、皮膚のMMPと呼ばれるタンパク分解酵素を刺激して、皮膚のコラーゲンを減少させます。

また、メラニンの産生をうながし、シミの原因となります。

トレチノインをはじめとするレチノイドは、太陽光のもとで紫外線から皮膚を保護します。皮膚は保護されることで、トレチノインの作用も維持できます。

1-4. 表皮と真皮の境目を修復する

表皮と真皮の接着面は、表皮突起と呼ばれる波打った状態になっています。

これによりキメができています。

キメのある皮膚とない皮膚を比較した図

日焼けをすると皮膚はダメージを受けて、表皮突起がつぶれてしまいますが、ビタミンAを塗ると、波型の隆起が回復します。

これにより表皮は真皮にしっかりと接着されて、キメが整い、小ジワができにくくなります。また、表皮突起には血管が縦方向に走っているので、表皮への栄養補給も改善されます。

1-5. 真皮内で線維芽細胞に作用してコラーゲンを増やす

トレチノインは真皮内で最も重要な線維芽細胞に作用し、コラーゲン産生を促進させます。健康なコラーゲンが産生され、傷んだ異常なコラーゲンはコラーゲン分解酵素によって取り除かれます。

さらに、線維芽細胞は細胞間を満たすヒアルロン酸(GAG) の分泌をうながします。

これにより保湿力が増し、ハリが出て、ふっくらとした状態になり、小ジワが軽減されます。ヒアルロン酸の増加は、特に日焼けした皮膚において認められます。また、トレチノインなどのビタミンAは、皮膚のバネの役割をするエラスチンというタンパク質の質を向上させますが、その働き方はエラスチンを増やすのではなく、不良品化したエラスチン線維を取り徐くように働きます。

1-6. 血流を改善する

ビタミンAは、皮膚のより深い部分における血流を改善します。その結果、血色が良くなったり、より多くの栄養素と酸素が皮膚に供給されたりするようになります。

2. 写真でわかる症状別の効果

ここでは、トレチノインのさまざまな症状に対する効果について解説いたします。

2-1.毛穴の目詰まりに対する効果

角質層の代謝が改善し、毛穴のつまりが改善されます。

また、毛穴に詰まった酸化した皮脂がきれいになり、毛穴の黒ずみも減少します。

治療前(メイクあり)4ヵ月後(メイクなし)⇒小ジワ・毛穴が改善

トレチノイン+ハイドロキノン治療前/4ヵ月後・・・毛穴が目立たなくなっています。

2-2.ニキビに対する効果

皮脂腺からの皮脂分泌が減少するため、ニキビが改善します。

ニキビ改善例 メラフェード

2-3.小ジワ、乾燥に対する効果

トレチノインは、表皮の代謝を高め、成長させる効果があります。

その結果、表面の見た目にうるおいが増してきます。

皮膚がふっくらとした印象になり、小ジワが目立たなくなります。また、コラーゲンの質が向上し、増産されるようになります。

治療前(メイクあり)4ヵ月後(メイクなし)⇒小ジワ改善2

トレチノイン+ハイドロキノン治療前/4ヵ月後・・・目尻の小ジワが目立たなくなっています。

2-4.シミ・くすみに対する効果

皮膚全体にメラニンがより均一に配送され、細胞核上ではメラニンが均等に配置されるようになります。その結果、皮膚の色調がより明るく見えるようになります。それが日焼けをしていない皮膚本来の自然な色なのです。

また、メラノサイトでの過剰なメラニン産生が少なくなり、その結果シミが薄くなることで肌が明るく見えます。

真皮内の血管網が発達し、健康的な血色を取り戻します。

メラフェード使用7ヵ月後にくすみが取れている

トレチノイン+ハイドロキノン治療前/7ヵ月後・・・頬のシミ・くすみが取れています。

1Mでシミ、小ジワが改善

トレチノイン+ハイドロキノン治療前/1ヵ月後・・・くすみ、小ジワが改善しています。

“ハイドロキノン単独よりもトレチノイン+ハイドロキノンが効果が高い理由”

  • ハイドロキノンは、皮膚のメラニンを減らす作用があります。
  • シミができる年代の方は、皮膚の代謝が落ちているため、シミがある皮膚を捨てられなくなっています。
  • トレチノインにより古い皮膚を一旦外に出してあげた方が、新しい皮膚が白くなりやすくなります。
  • ハイドロキノンだけでも美白効果はありますが、代謝が落ちているため、時間がかかります。

“シミの種類別のトレチノインの効果”

  • シミにはいくつか種類があります。最も多い日光によるシミに対しては、トレチノイン+ハイドロキノンは有効です。

日光のシミ

日光によるシミ(老人性色素斑)の例

  • ただし、皮膚が盛り上がった脂漏性角化症には効果がありません。まずレーザーや削り取るような治療を行う必要があります。その後に炎症性色素沈着が生じた場合にトレチノインを使用するときれいになります。

pre1

盛り上がったシミ(脂漏性角化症)の例

  • ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)などの真皮内の色素沈着にも単独では効果が期待できません。ADMや黒皮症などには表皮と真皮の両方にメラニンがあります。そこで、まず始めにトレチノイン治療により表皮のメラニンを減らしてからレーザー治療を行うと、レーザーが効率よく深部に届き、なおかつ炎症性色素沈着が予防できます。

ADM

ADMの例

  • 肝斑や炎症性色素沈着に対してはトレチノインの有効性は高いです。

肝斑

肝斑の例

  • 雀卵斑(そばかす)、扁平母斑は再発しやすいですが、顔であれば効果があります。

そばかす

そばかすの例

ハイドロキノンの詳細は、以下の記事を参考にしてください。

シミのない美白肌!医師解説ハイドロキノンの選び方とお勧めの製品3選

ハイドロキノンをはじめる前に知っておきたい5つの副作用

ハイドロキノンの効果と効果を最大限に高めるための5つの注意点

2-5.皮膚のたるみ、弾力低下に対する効果

紫外線などにより皮膚のエラスチンというたんぱく質がダメージを受けると、皮膚の弾力が低下します。トレチノインを1年間長期間使用することで、損傷したエラスチンが回復するという報告があります。

2-6. やけどの跡・皮膚のつっぱりに対する効果

トレチノインを塗ることで、かゆみが改善したり、やけどをした部位のつっぱった皮膚がやわらかくなったりするという効果があります。

3.トレチノインの効果を最大限に高めるための9つの注意点

ここでは、トレチノインをどのように使用すれば効果を高めることができるかについて解説いたします。

3-1.劣化を防ぐため、冷暗所に保管する

トレチノインは、光に当たると簡単に劣化します。

熱、空気、湿気にも弱く、すぐに劣化してしまいます。

そのため、直射日光の当たる場所は避け、できるだけ冷蔵庫や引き出しなどに保管しましょう。

3-2. レチノイド反応を乗り切る

トレチノインを塗った際に刺激による赤みや乾燥、ニキビといった反応が起こることがあります。

これは「レチノイド反応」と呼ばれます。

しかし、これは決して毒性反応やアレルギ一反応ではありません。

1週間から数週間程度で自然に落ち着いてきます。

非常に敏感肌な場合は、一番低用量のビタミンAを塗布してわずか1時間後に洗い流す、という方法も有効です。

このように、皮膚をゆるやかにビタミンAに慣らした結果、ビタミンAを普通に使用できるようになることも多いです。

その後、段階的に使用頻度を上げていき、毎日1回使用するようになるまでに1年かかった人もいましたが、最終的には、敏感肌の人でもより高用量のビタミンAを朝と夜、使用できるようになります。

反応にびっくりしてやめてしまう方がいますが、うまく工夫しながら乗り切っていくことで美肌が手に入れられることも多いです。

トレチノインの副作用についての詳細は、「トレチノインの意外と怖い副作用|これを知らないと失敗する7つのポイント」を参考にしてください。

3-3.強い紫外線に気をつける

トレチノインは、光線過敏を引き起こし、紫外線による炎症が強く出ることがあります。

海に行くなど、前もって予定が分かっている場合は、1週間程度塗布を控えてください。

また、夏場など紫外線が多い時期は、日傘、帽子、日焼け止めなどにより防御してください。

3-4.ハイドロキノンを併用する場合、レチノイド反応との違いを見分ける

トレチノインとハイドロキノンという美白効果のある軟膏を併用している方もいらっしゃるかもしれません。

ハイドロキノンは、かぶれることがあります。

トレチノインによる前述のレチノイド反応と判別が難しいこともあります。

迷った場合は医師に相談しましょう。

3-5.最適な濃度、使用上の注意を守る

トレチノインは製剤ごとに使用方法が多少異なります。使用上の注意を守ることが効果を高め、副作用を最小限にするポイントです。

3-6.シミの治療を行う場合は、きちんと診断をつける

シミにも様々な種類があります。トレチノイン+ハイドロキノンで改善する肝斑などのシミもあれば、ADMと呼ばれる、根が深いシミもあります。きちんと診断を行い、場合によってはレーザーなどのほかの治療を併用することも必要です。

3-7.トレチノイン治療中は皮膚をこすらないようにする

トレチノイン使用中は皮膚が敏感になります。日焼け止めやメイクを塗る時や落とす時、また洗顔時やタオルで拭く時にこすらないように気をつけてください。ちょっとした摩擦で炎症性色素沈着が起こることがあります。特にクレンジングのし過ぎには気をつけてください。

3-8.数ヶ月使用したら、再開前に1ヶ月程度休む

継続して使用すると、肌が慣れてきて効果が弱くなっていくことがあります。

2~3ヶ月使用後に1ヶ月程度休み、再開することで効果が高まります。

3-9.アルコールフリーの化粧品を使用する

化粧水、乳液、美容液などの基礎化粧品は、トレチノイン治療中に刺激により接触皮膚炎を起こし、炎症が強くなることがあります。アルコールフリーの刺激が少ないものを使用しましょう。

4.トレチノインの副作用と対策

トレチノインの副作用として、最も重要なものは、レチノイド反応と呼ばれる炎症症状です。

また、トレチノインとハイドロキノンと併用することが多いですが、ハイドロキノンにかぶれる方もいます。

最初から顔全体に塗った場合、赤みや皮膚の皮むけで人に会えないくらいひどい炎症が起こることがあります。

念のため、額や生え際などの目立たない部分に1~2週間試し塗りをするとよいです。

トレチノインの副作用についての詳細は、「トレチノインの意外と怖い副作用|これを知らないと失敗する7つのポイント」を参考にしてください。

5.お勧めトレチノイン製品

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メラフェード・・・トレチノン・ハイドロキノン・ビタミンC・αアルブチンが含まれる治療薬です。クリニックで処方してもらうもので、市販はされていません。3ヶ月程度で効果が現れることが多いです。赤みなどの副作用がでにくく、日本人向けの製品です。

価格は40000~50000円(1セットでおよそ2~3月持ちます)

レチノールについて

レチノールもトレチノインと同じく、ビタミンAの一種です。

これも栄養素として皮膚の内部で活躍しています。

レチノールもトレチノインと同じように、皮膚の代謝を促す効果がありますが、トレチノインと比較すると1/100程度と弱いです。また、トレチノインとレチノールを混同しがちですが、同じ濃度(%)でも活性そのものが異なるので、効果は異なります。(正確には、IUという単位で有効成分をあらわします)

ただ、レチノールはレチノイド反応などの副作用もほとんどないので、決められた濃度までは医薬部外品として市販品に調合することが許可されています。レチノールはトレチノインとは異なり、医師の処方は必要ありません。

アダパレン(ディフェリンゲルの有効成分)について

アダパレンは、トレチノインと似た構造を持つビタミンAの誘導体のひとつです。(トレチノインが第1世代に対し、アダパレンは第3世代とされています)

アダパレンは、ニキビの保険診療で処方される塗り薬です。

トレチノインが肥厚した⾓質を剥離して⽑⽳の詰まりを積極的に解消するのに対し、ディフェリンは顆粒細胞から⾓質細胞になることを抑制して、ニキビを予防します。基本的にはニキビ治療に用いますが、キメが整い、毛穴が目立たなくなる作用もあります。

まとめ

トレチノインは、副作用が全くないわけではありませんが、うまく使用することで、比較的短期間でシミ、小ジワ、ニキビ改善など様々な効果を発揮します。ぜひ、参考にしてみてください。

 

参考文献

J Drugs Dermatol. 2012 Sep;11(9):1036-40.

CLINICS 2011;66(11):1949-1954

Journal of Cosmetic Dermatology,2005, 4, 237–244

Dermatology 2014;228:314–325

 

 

 

 

 

 

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