MENU
  • シミ

医師が解説!フォトフェイシャルを受ける前に知っておくべき5つの副作用とその対策

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

フォトフェイシャルは、光によりシミ、赤みなどを改善する治療法です。

これを読んでいる方の中には、フォトフェイシャルの副作用が心配な方がいらっしゃるのではないでしょうか?

フォトフェイシャルは比較的多くの医療機関で行われていますが、実は、適切に行わないと、シミが悪化したり、やけどによる色素沈着などがおこったりするリスクがあります。

ここでは、フォトフェイシャルの副作用やリスクについて解説するとともに、それを最小限にする知っておくべきポイントについても解説いたします。

これを読んでいただくことで、副作用やリスクを回避して、より安全に美肌を手に入れることができると考えます。

ぜひ参考にしてみてください。

1.フォトフェイシャルとは

IPL(インテルス・パルス・ライト)という特殊な光を患部に照射し、肌のシミや赤み、小ジワなどを緩やかに改善する施術です。また、熱刺激による肌質改善も期待できます。光治療とも呼ばれます。

1-1.フォトフェイシャルのメカニズム

一般的なシミ取りレーザーも、患部に光を照射する事に関しては同じです。

レーザーが単一の波長からなるのに対して、フォトフェイシャルは複数の波長を含んでおり、症状に合わせた光を選択的に照射できる為、様々な皮膚疾患(シミ、赤み、ニキビなど)に対応可能です。

また、レーザーと比較して肌に負担がかかりづらく、広い範囲に穏やかに効き、長期的には肌質が改善します。

2.フォトフェイシャルの副作用・リスクとその対策

肌への刺激や負担が少なく、安全で緩やかに効果を発揮するフォトフェイシャルですが、副作用も報告されています。ここでは、起こりうる副作用とその対策をご紹介いたします。

2-1.肝斑が悪化することがある

未治療の肝斑に対し、適切でない照射力で光を当てると、炎症後色素沈着を起こす事があります。

対策・・・そもそも肝斑がある場合は、フォトフェイシャルは避けた方がよいです。肝斑の存在を見落とさないようにすることが重要です。

 

典型的な肝斑の症例写真・・・頬骨に沿った左右対称な薄いシミは肝斑の可能性があります。こういうシミがある方はフォトフェイシャルはやめた方がよいです。

フォトフェイシャル治療前/6ヵ月後(4回治療後)・・・下の方にある日光のシミ(老人性色素斑)は改善していますが、肝斑が悪化しています。

肝斑がある場合は、まずはその他の治療により改善した後、状態を見ながらフォトフェイシャルを開始できます。

2-2.ヤケド、色素沈着、色素脱失

照射出力が強かったり、皮膚面との接触のさせ方や冷却が不十分だったりした場合、ヤケドを起こす事があります。

また、ヤケド後に色素沈着・色素脱失を生じる場合もあります。

対策・・・万が一ヤケドを負ってしまった時は、すぐに施術した医師に相談して下さい。

患部を十分に冷却施した後、外用薬を塗布して頂き、経過を診させていただきます。迅速な処置を施すことで、色素沈着や色素脱失のリスクを防げることもあります。

2-3.毛包周囲炎

軟らかい毛の濃い部分に光を照射すると、ぷつぷつと赤い発疹のような炎症が起こる事があります。

対策・・・軟毛の濃い部位に比較的みられる反応です。炎症を抑える外用薬を塗布して頂くと数時間~数日には治癒します。

2-4.虹彩炎

上まぶたに対して保護をせずに照射したために、虹彩炎やぶどう膜炎が生じたという報告があります。

対策・・・上下のまぶたに施術を行う場合は、点眼麻酔下にコンタクトシェルを装着して頂きます。

2-5.シミが再発することがある

照射後の冷却が不十分であったり、症状の程度によっては、一時的な改善はみられるが、数ヶ月後に再発してしまう事もあります。

対策・・・効果が出にくい場合は内服薬や外用薬の併用や、他の治療法への切り替えを提案させて頂く事もあります。また、症状の改善が目で見て分かるよう、治療前と治療中の経過を写真に撮るなど、記録を残す事も重要です。

3.フォトフェイシャルのリスクを最小限にする6つのポイント

これからフォトフェイシャルを受けてみようと考えている方、または現在治療中の方も、より安全に施術が受けられるよう、ここでご説明するポイントをぜひ確認してください。

3-1. 紫外線対策をしっかりする

施術前の紫外線対策はもちろん、施術後は特に肌が敏感になっていますので、しっかりと日焼け止めを塗ったり、日傘をさしたりして肌を刺激から守りましょう。

3-2.肌の状態を見ながら数回に分けて治療を行う

早く効果を実感したいところですが、照射の強さを上げたり、無理な施術を行ったりすることは、かえって肌を痛めます。

症状や肌の状態にもよりますが、適切な強さで、月1回を目安に、計56回続けて頂くのが理想です。

3-3.内服薬・外用薬を併用する

数回に分けた施術で肌質改善の効果は得られますが、症状に合わせた薬を併用する事で、治療効果を上げ、より良い状態を保てます。

3-4.生活習慣やスキンケアを見直す

施術後は肌が敏感になっています。しっかりと保湿をしましょう。また、食生活や睡眠など、生活習慣の乱れにも気をつけましょう。光治療の効果だけでなく、肌環境をご自分でしっかりコントロールするよう心掛けて頂くことも、効果継続に重要と考えます。

3-5. 身体の状態を医師に伝える

妊娠中や授乳中の方、持病をお持ちの方や処方されている薬がある方など、疾患や状態によっては施術を受けることができない場合もあります。また、アートメイクやタトゥー、美容目的で金の糸などをされている方も、カウンセリングの時点で正しく伝えましょう。

3-6.痛みなどがあった場合は早めに伝える

痛みや赤みなど過剰な反応を生じた場合は、直ちにクーリングを行うことで、やけどや色素沈着のリスクを最小限にできます。

4.まとめ

シミや赤みに効果があり、比較的安全に治療できるフォトフェイシャルですが、いくつかの副作用やリスクがあります。

その対策を正しく知ることで、より安心して施術を受けられると考えます。

まずは、レーザー・光治療を専門としている美容外科や皮膚科に相談してみてください。

参考文献

JJSLM Vol31 No1 (2010

MB Derma No.165. 2010

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事をSNSでシェアする

話題のキーワード

コメントを残す

*