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塗るだけで簡単に美肌を手に入れる!2種類のトレチノイン製品の使い方

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トレチノインは、皮膚の代謝を上げ、シミ・小ジワ・ニキビ・毛穴などを改善する美肌効果のある塗り薬です。
これまでトレチノインを使った方の中には、赤みや皮むけ、ヒリヒリ感などでうまく使えなかった方がいるかもしれません。
実は、トレチノインは、市販の化粧品とは違い、基本的には医師の処方が必要な効果の高い医薬品です。
その反面、副作用もあるので、きちんとした使い方が必要です。副作用については「トレチノインの意外と怖い副作用|これを知らないと失敗する7つのポイント」で紹介しています。あわせてご確認ください。
また、一口にトレチノインと言っても様々な製品があり、それぞれ推奨される塗り方は多少異なります。
ここでは、正しいトレチノインの使い方を解説いたします。
この記事を読むことで、トレチノインを効果的に使うことができ、美肌を手に入れることができます。
ぜひ参考にしてみてください。

1.トレチノインを塗るだけでこんなに肌がきれいになる

トレチノイン(レチノイン酸)は、ビタミンAの誘導体(変化したもの)(=レチノイド)で、元々肌に栄養として存在しています。塗り薬として、ハイドロキノンという美白剤と一緒に使われることが多い医薬品です。

“トレチノインの肌への効果”

  • 皮膚の代謝を高め(ターンオーバーが早くなる)
  • コラーゲンを増える
  • 紫外線を吸収し、ダメージから皮膚を保護する
  • 血流が良くなる

“トレチノインで改善する症状”

  • ニキビ
  • 小ジワ、乾燥
  • シミ・くすみ
  • 肌の弾力低下
  • やけどの跡・皮膚のつっぱり 

2.トレチノイン製剤を選ぶ上で知っておくべき5つの条件

2-1.目的に合った適切なトレチノイン製剤を選ぶ

・種類・・・トレチノイン製剤には、ハイドロキノンと併用して使用する単独のトレチノイン製品と、ハイドロキノンがあらかじめ配合されている製品があります。
代表的な製品として、前者に東大式のトレチノイン(純粋なトレチノインを水溶性のゲルに混ぜて作成)、後者にメラフェードがあります。
なお、種類によっては、副作用が出やすいものもあれば、出にくくなるような工夫をしているものがあります。例えば、東大式のトレチノインは、非常に効果が強い反面、副作用も出やすく、そのため最低1~2週間に1回程度、比較的頻回に医師の診察を受けるように推奨されています。
また、メラフェードは同じくトレチノイン+ハイドロキノンの塗り薬ですが、効果は東大式よりはマイルドな反面、副作用が出にくいという特徴があります。

・濃度・・・一般的に、濃度が高いものは効果も高いですが、副作用も出にくいです。東大式のトレチノインは、0.1%、0.2%、0.4%の3種類があります。
メラフェードは0.1%の1種類ですが、症状などによりご自分で反応を見ながら濃度を変えられるように、ヒアルロン酸の希釈剤がセットになっています。
その他のトレチノイン製品では、0.05%や0.025%などもあります。

“シミ治療におけるトレチノインの有効な濃度設定とは?”

  • トレチノイン+ハイドロキノンを用いてシミ治療を行った複数の臨床試験の結果を見ると、トレチノインは0.05~0.1%のものを、ハイドロキノンは2~5%のものを使用して、効果を上げているものが多いです。

2-3.個人輸入による海外の市販品は注意が必要

個人輸入によりトレチノインは入手可能ですが、注意が必要です。日本では2017.7現在、トレチノインの市販薬はありません(トレチノインよりも効果が弱いレチノールは市販されています)。海外のものは日本人向けではないことも多く、また成分がきちんとしたものである保障はありません。 
また、医師が処方したものは、何かあった場合などにアフターケアが受けられるというメリットもあります。

2-4.トレチノインの副作用が強いと逆に悪化することがある

トレチノインの反応が強く出すぎると、炎症が生じて色素沈着が起こることがあります。
赤みやヒリヒリ感が強い場合は、濃度を下げたり、一時的に中止したりする必要があります。
また、トレチノインの副作用以外にハイドロキノンによるかぶれが起こることもあり、それらが混ざった場合、症状が複雑になることがあります。そのため、治療前にハイドロキノンのアレルギーがないか、パッチテスト(試し塗り)を行うとよいです。
ハイドロキノンに対してアレルギーがある場合は、赤みなどにより治療を続けられなくなります。

2-5.あえて副作用が出るような使い方を受け入れる

トレチノインの濃度が低いと効果も弱くなります。
副作用を心配するあまり、弱い濃度のものを使い続けても結果がなかなか出ないこともあります。
赤みなどの症状を見ながら極力濃度を高めのものを使用するのがポイントです。

2-6.数ヶ月ごとに休止期間を作る

継続して使用すると、肌が慣れてきて効果が弱くなっていくことがあります。2~3ヶ月使用後に1ヶ月程度休むことで、再開した時に効果が高まります。

3.トレチノイン製剤2つの種類

トレチノイン製剤には、東大式と呼ばれるトレチノインクリーム単独の製品と、メラフェードなどのトレチノインとハイドロキノンがあらかじめ配合された製品とがあります。
赤みなどの副作用もある程度受け入れられる方や、通院しながら短期間でしっかり治療したい方は、東大式がお勧めです。
一方、副作用をできるだけ避けたい方や、頻繁な通院が難しい方はメラフェードが向いています。

東大式

メラフェード

1カ月の費用の目安

1.5~5万円

1.5万円

ハイドロキノン

別々に購入

あらかじめ配合されている

濃度調整

濃度が違うチューブを別途購入

セット内で自己調整可能

効果

強い(薄い濃度を選び、マイルドにもできる)

比較的マイルド

副作用

出やすい(薄い濃度を選び、出にくくできる)

出にくい

消費期限

1カ月

1年

通院頻度

2週間に1回(医師が濃度調整)

数ヶ月に1回(自分で症状にあわせてある程度調整可能)

3-1.東大式トレチノインの特徴

東大式の場合、なるべく頻繁に(2週間に1回以上)診察することが推奨されています。
医師が副反応の程度の程度を見ながら、濃度を調整していきます。
シミであれば、シミの種類をまず診断することが重要で、診断に応じて塗布方法を変えていきます。
消費期限は1ヶ月です。価格は、1か月分がおよそ1.5~5万円程度です。

3-2.メラフェードの特徴

塗るだけで、簡単にシミが治療できます。
その他、小ジワ、皮膚のハリ、ニキビも改善します。
ダウンタイムがほとんど無く治療できます。(東大式よりも副作用が少ないです)
頻回の通院は通常必要ありません。
冷暗所保存により約1年間使用可能で、長期安定性があります。(東大式のトレチノインは1カ月が期限の目安です)
また、長期置いておくと、メラフェードTの色が濃くなることがありますが、作用に影響はありません。
価格は、3本セット(約3カ月分)でおよそ4~5万円程度です。1か月分のトライアルセットもあります。

4. 効果を最大化する正しい使い方(東大式編)

東大式のトレチノインの特徴と具体的な使用法を目的別にSTEP形式で解説いたします。
一般的には、日光によるシミ(老人性色素斑)の使用法が基本になります。
その他の種類のシミやニキビ、小ジワに対しては、多少のアレンジが必要です。

4-1.東大式トレチノインの使用法の特徴

東大式の場合、2週間に1回以上の頻度で診察を受け、副反応の程度の程度を見ながら、医師が濃度を調整していきます。
反応が強すぎれば、トレチノインを減量するか、使用間隔を空けるようにします。
逆に、反応が弱ければ、使用量を増やしたり、濃度を上げたりするような対処をします。
また、抗酸化作用のあるビタミンCローションや保湿剤、日焼け止めなどの併用も治療の効率を上げるために有用です。

4-2.日光によるシミ(老人性色素斑)や肝斑に対する使い方(基本的な使用法)

◎ STEP1
まず、トレチノインとハイドロキノンを塗り、シミを落とします。(最長8週間まで)
顔であれば0.1%,体幹や上肢には0.2%,背部や下肢には0.4%のトレチノインとハイドロキノンを使用します。
トレチノインはシミからはみ出さないようにベビー綿棒などで正確に塗るようにします。
一方、ハイドロキノン軟膏は広めに塗ります。その際に、トレチノインを広げないように注意します。
通常開始後数日で赤みや皮膚がポロポロむけたり、ヒリヒリ感が出てきたりします。
逆に1週間経ってもこういった反応がない場合は、濃度が低いことが考えられるため、濃度を上げるか、塗る頻度を増やします。
◎ STEP2
シミが消失したらトレチノインを中止します。
皮膚の炎症がこの間に落ち着いてきます。
STEP2の間は全体的にハイドロキノンを最低4週間塗り続けます。(4~6週間継続します)
STEP1を8週間継続した段階で、もし完全にシミが落ちていなくても、一旦休むようにします。
休むことで再開した時の効果が高まります。
◎ STEP3
トレチノインとハイドロキノンを再開します。

注意点
角質が盛り上がっているシミの場合は、まずレーザー治療を行います。
肝斑では、2クールの治療が必要となることが多いです。
東大式では、トレチノインとハイドロキノンを別々に用意して使用する範囲を変えることがポイントです。トレチノインの副反応が強いため、シミの治療ではトレチノインは、シミの部分だけにピンポイントで塗るようにします。
反応が弱い場合はAHA などのピーリング(50~70%、pH1~1.5)を2~3分程度、ベビー綿棒を用いて塗布することも有用です。

4-3.後天性真皮メラノサイトーシス(遅発性太田母斑、ADM)への使い方

ADMは、小さい灰色~黒色の両頬にできることが多いシミです。
肝斑と一見似ていますが、肝斑とは異なり、融合傾向がないことが特徴で、真皮におよぶ深いタイプのシミです。
まずトレチノイン+ハイドロキノンによる治療を行い、浅層のメラニンを除去します。
その後、赤みが落ち着いた時点でレーザー照射を行うと効率よく治療が行えます。
また、トレチノイン治療を行うことで、レーザーによる炎症性色素沈着が起きにくくなるというメリットもあります。

4-4.炎症性素沈着への使い方

やけどや摩擦、ケガの後に炎症による色素沈着が起こることがあります。
日本人は人種的に白人に比べて炎症性色素沈着が起きやすいと言われています。
放置しても数ヶ月~半年程度で改善しますが、トレチノイン+ハイドロキノンにより早くきれいなります。
炎症性色素沈着は、首から下のものでもトレチノイン+ハイドロキノンにより治療が可能です。
治療のポイントとして、トレチノインによる炎症が起こらないように弱めの使用を心がけます。
0.1%のトレチノインを1日1~2 回使用します。
色素沈着が消失したらトレチノインのみを中止し、ハイドロキノンのみを塗ります。

4-5.扁平母斑(カフェオレ斑) への使い方

扁平母斑はレーザーによる治療だと再発したり、治療部位が白抜けしたりすることもあるという問題点がありました。
トレチノインでは、顔であれば効果を出しやすいですが、首から下は効果が出にくかったり、再発しやすかったりする特徴があります。
治療は濃度を高めにしながら、しっかりと行います。
治療後の再発率を下げるポイントは、扁平母斑が消えたように見えても約2~3 週間は続けて塗ることです。
また、トレチノインの重ね塗りやケミカルピーリングを行うことも効果を高めます。
再発を防ぐためにトレチノイン終了後にハイドロキノンを塗ることも重要です。

4-6.尋常性ざ瘡 (ニキビ)への使い方

トレチノインは毛穴の角栓を除去し、皮脂を減少させることでニキビを改善します。
濃度は弱めに設定します。0.1%トレチノインを1~2日に1回程度からスタートし、徐々に濃度や投与回数を増やしていきます。
余分な角質を除去するため、ケミカルピーリングを併用することもあります。

4-7.小ジワ、皮膚のハリの改善のための使い方

シミとは異なり、濃度を低めに設定します。
0.1%のトレチノインを1~2日に1回程度で顔全体に塗り、反応を見ながら投与濃度、投与回数を増やします。
3ヶ月治療後に1ヶ月以上の間隔を空けます。

個人輸入品の代用品を用いた方法
個人輸入による海外の製品でもトレチノイン単独のクリームがあります。
日本人を被験者としたある報告では0.1%卜レチノイン(Retin-Aクリーム)を使用した時は、多くの被験者が副作用に耐えられませんでした。ただし、低濃度の0.025%に変更することで対処できました。
また、ジョンソン・エンド・ジョンソン社製の0.05%レチノールと0.075%レチノール配合クリームを中年の女性に対して26週間使用した臨床試験では、26週間で肌質の改善やシワ・シミの改善効果があったという報告があります。なお、刺激症状は軽く、ほとんどの例で継続可能でした。

5. 効果を最大化する正しい使い方(メラフェード編)

メラフェード(トレチノイン+ハイドロキノン)の特徴と具体的な使用法を目的別にSTEP形式で解説いたします。

5-1.メラフェードの使用法の特徴

メラフェードは、3本セットの塗り薬です。

メラフェード 3種画像
メラフェードTには、0.1%トレチノインと4%ハイドロキノンが入っています。
メラフェードローションはヒアルロン酸、メラフェードエマルジョンはα―アルブチンとビタミンCがそれぞれ入っています。
液体で浸透性が良く、さっぱりとした使い心地です。

 メラフェード使用前

<メラフェード使用前>

メラフェード使用後

<2ヶ月後>

ぼんやりとした薄いくすみが改善し、全体的に肌が明るくなっています。

5-2. メラフェードの 基本的な使用方法

 1日1回 夜のみ使用します。早く改善したい場合は1日2回使用しても良いです。

◎ Step1
洗顔の後、お手持ちの化粧水を塗る
◎ Step2
モイストエッセンス 3プッシュ+メラフェード T1滴を手の平でよく混ぜ、顔全体(あるいは両頬)に塗布。
◎ Step3
メラフェードエマルジョンを顔全体(あるいは両頬)に適量塗布。
◎ Step4
朝は通常の化粧水+エマルジョン(省略可)。必要あればお手持ちの美容液も塗布できます。

★日中は日焼け止めを塗り、小まめに塗りなおして下さい。

◆ メラフェード 自己調整方法
肝斑=モイストエッセンス1プッシュ+メラフェードT1滴 
ノーマル使用=モイストエッセンス2プッシュ+メラフェードT1滴
過敏肌使用=モイストエッセンス3プッシュ+メラフェードT1滴

5-3.メラフェードの注意点

開始後数日~1週間すると剥離、落屑(皮膚がポロポロむける)、乾燥を感じる場合があります。
しかしこれは効いているという証拠ですが、 強い不快感(皮膚の剥離や赤み)を感じたら、モイストエッセンスを多くするか、治療頻度を適宜減らして様子をみて下さい。例えば、2~3日に1回に頻度を落としたりしてみてください。
1~2週間経過後、不快感がない場合は、モイストエッセンスを 2プッシュ に減らし、濃度を濃くします。肝斑は1プッシュまで減らしてもよいです。
治療期間中は化粧水や本剤を塗布する度に刺激を感じる場合もあります。
治療中はメイクや日焼け止めなどは軽く乗せるように塗布し、こすらないようにします(色素沈着の原因)。
使用後 約3ヶ月で1ヶ月間休止しメラフェードエマルジョンだけ塗布、1ヵ月後から治療を再開して下さい。 (休止期間中にシミが濃くなったら再開して下さい。)
まぶた、唇は塗らないでください。(目に入らないようにして下さい)
洗顔・メイク落としによる顔のこすりすぎや日焼けには、特に注意して下さい。(炎症による色素沈着の原因となります)

メラフェードの詳細は、「写真で解説!メラフェードの6つの美肌効果」を参考にして下さい。

まとめ

トレチノインは、皮膚の代謝を高め、ハイドロキノン(美白剤)と併用することで、シミやニキビ、毛穴、小ジワなどの改善効果があります。また、トレチノインとハイドロキノンが別々の製品(東大式、個人輸入品など)やセットになって配合されたもの(メラフェード)などがあり、それぞれ使い方や副作用の出方が異なります。ご自分にあった製品を適切に使うことが大事です。もし何か問題があれば、医師に相談してください。

参考文献
形成外科46(3): 261-270,2003
Plast Reconstr Surg. 2000 Mar;105(3):1097-108
Tohoku J Exp Med. 1993 Feb;169(2):131-9.
MB Derma.144:84-90.2008

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