これを読んでいる方の中には、目の下のたるみをトレーニングで改善したいと思っている方や鏡を見るたびに憂うつになっている方も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、トレーニングのみで改善させることは、残念ながら難しいです。
ただし、ご自分でできる予防法はありますので、まずはそちらを試されるとよいかもしれません。
そもそも、目の下のたるみは、目の下の脂肪が出てくることで起こることが多いです。
また、皮膚が薄くなっているために、目の下にくぼみが生じていることもよく見られます。
これらが、目の下の凹凸、たるみ感を作ります。
実は、目の下のたるみはクリニックで行う最新の治療法を受けると意外と簡単に治ります。
目の下のたるみが改善すると疲れた印象から解放されるだけでなく、若々しく、元気な印象になります。
今回は目の下のたるみのトレーニングの是非の詳細と、ご自分でできる改善方法についてお伝えします。ぜひ、参考にしてください。
目次
1. なぜトレーニングだけでは効果を出すのが難しいのか?
1-1.そもそもなぜ目の下にたるみがおこるのか?
まずは目の下のたるみが出来る原因、メカニズムについて説明いたします。
目の下のたるみは以下の2つの原因があります。
・①目の下の脂肪を包んでいる膜のゆるみ
⇒目の下の脂肪(眼窩脂肪)が飛び出す。
⇒皮膚(+眼輪筋)が引き伸ばされる。
・②目の下の皮膚のコラーゲンが減少
⇒皮膚のたるみがおきる。目の下にシワ・くぼみができる。
その他、眼球やまぶたを支えているじん帯(眼球の下に横方向に橋渡しされています)のゆるみも関与していると言われています。
目の下の脂肪(眼窩脂肪)が飛び出してくる理由
眼球の下には眼窩脂肪と呼ばれる脂肪があります。
目の下には骨がありますが、これは壁の役割をしています。
骨に関しては、高い方と低い方がいますが、高い方は脂肪が出にくく、低い方は出やすい傾向にあります。
これは骨格なので遺伝も関係しています。
眼窩脂肪を包んでいる膜がゆるんでくると、特に骨が低い方は、脂肪がこぼれてくるように手前に飛び出し、たるんでいるように見えます。
皮膚のたるみが起こる理由
老化や紫外線などの影響で皮膚の主成分であるコラーゲンは分解され、薄くなります。
目の周りには眼輪筋という筋肉があります。
この筋肉の上に皮膚が乗っています。
目の下には下の図の矢印のところに元々筋肉の境目があり、皮膚が薄くなってくると、透けて見えるようになります。
結果として、ハの字状あるいはU字状にくぼみが生じます。
紫外線を浴びた量が多く、皮膚の弾力が低下していると、たるんでいるように見えることもあります。
ふくらみとくぼみは、下の図のような位置に、同時に出ることが多いです。
また、目の下の脂肪は、未治療のままだと徐々にふくらみが増してきます。
このように、年単位でゆるやかな変化ですが、目の下の脂肪を包んでいる膜がゆるんでくることでふくらんできます。
目の下の脂肪の量が増えたりすることはなく、ほとんど一定です。
目の下がたるんだ状態は「黒クマ(影クマ)」と呼ばれることも
目の下のクマの分類には、見た目の色で分けるものがあり、黒・赤・青・紫・茶色に分類されます。
目の下のたるみにより生じるクマは黒クマ(影クマ)と呼ばれます。
また、シミ・くすみ(茶クマ)が目の下にあると影のように見えることがあります。
特に暗い部屋で蛍光灯の下で鏡を見ると、凹凸があるように見えることがあり、注意が必要です。
目の下のクマの原因と見分け方についての詳細は、それぞれ「なぜか疲れて見える!目の下のクマの6つの原因と治療法」と「いつも疲れて見える30代~40代の方に朗報!目の下のクマの種類の見分け方と自分でできる解消法」をご覧下さい。
1-2.トレーニングの効果が得られにくい理由
残念ながら、表情筋トレーニングで目の下のたるみを改善させることができたという医学的根拠は今のところありません。
目の周りの眼輪筋を鍛えることで、一時的に目の下の脂肪を引っ込めることは可能ですが、やめるとすぐ元に戻ってしまいます。
また、トレーニングをする際にシワができるくらい強く行うと、かえってシワ・たるみの原因となることがあるので、注意が必要です。
表情筋トレーニングについての詳細は、「その表情筋トレーニングは逆効果?医師が教える効果的なトレーニング」を参考にして下さい。
表情筋トレーニングの症例写真を見る時の注意点
表情筋トレーニングの情報をネットなどで検索させる場合に、症例写真を参考されることがあるかもしれません。
その際に、撮影条件(明るさ、高さ、表情)が同じかを見る必要があります。
2.おすすめの目の下のたるみの予防習慣3つ
ここでは、普段からできる予防方法についてご紹介いたします。
ただし、現在ある目の下のたるみをなくすほどの効果はないので、ご注意ください。
まずは、皮膚のたるみに対して、紫外線防止が有効です。
また、脂肪を包んでいる膜などの内部のたるみ改善には、糖質の取りすぎに気を付けたり、ヒートショックプロテインの誘導がある程度有効である可能性があります。
確実な改善を希望される方は、目の下のたるみ・クマ治療を医療機関で受けられるとよいでしょう。
治療法の詳細は、「即効性を求めるあなたが見るべき目の下のたるみの改善方法」をご覧下さい。
2-1.紫外線防止(日焼け止めやサングラス)
目の下の皮膚のたるみの原因の80%は紫外線といわれます。
したがって、日焼け止めやサングラスが有効です。
日焼け止めは、普段使いであれば、SPF30程度のものをお勧めします。
ご自分の肌にあったものを探してみてください。
日中は屋内でも塗ることをお勧めします。
紫外線防止の詳細は、「医師解説!簡単に老化防止できる14の紫外線対策と日焼け止め選択法」を参考にして下さい。
2-2.糖質を控える
目の下の脂肪を包んでいる膜がゆるんでくる原因の一つとしては糖化ストレスがあります。
特に食べすぎや甘いものを長時間継続してとり過ぎるような習慣は、たるみを悪化させます。(常にアメをなめていたり、お菓子を近くに常備しておくことは避けましょう。)
また、食材によっても血糖値の上がり方は異なります。
例えば玄米は白米より血糖値が上がりにくいなどがあります。
糖化ストレスを防ぐ食材についての詳細は「【低GI値食材一覧】低GI値の食生活を行うための8つの注意点」を参考にして下さい。
2-3.蒸しタオル・入浴・運動よるヒートショックプロテインの誘導
蒸しタオルの熱によりヒートショックプロテイン(HSP)というたんぱく質が作られます。
HSPはコラーゲンの修復や紫外線によるダメージを修復する効果があり、皮膚のたるみ予防になりうる手段として期待できます。
HSPは5分以上で作られ始め、6時間後にピークになります。
また、温泉、運動もHSPの効果が期待できます。
ジョギングなどの30分の運動を週2回程度行うと効果的です。
1日10分程度の運動ではHSPは増加しないので注意が必要です。
入浴の場合、40~42度で20~30分入ることで、2日後をピークにHSPが増加します。
この入浴法は週に2回以上行うのがお勧めです。
蒸しタオルの手順
水分を含んだタオルを42度(熱めのお風呂くらい)に電子レンジであたためます。
顔に載せる時間は、数分間を数セット程度行うとよいでしょう。
やけどには十分注意して下さい。
まとめ
目の下のたるみの根本的な解決には、トレーニングのみではなかなか難しいという現実があります。
そして、その上で、自宅で気軽にまず試して欲しいことをお伝えしました。
世の中にはいろいろな情報がたくさんあります。
中には魅力的な方法がネット上などに紹介されていますが、確実なものは一部だけです。気を付けて下さい。
また、目の下のたるみに関しては、クリニックでの治療という選択肢もあります。
これは、注射のみによる治療法と手術による治療法があります。
高い化粧品やトレーニングによる手間を考えれば、治療にかかる費用もそれほど合わないものではないかもしれません。
目の下のたるみから開放されると、疲れた印象が改善するだけではなく、明るい気分になったりします。
また、早めに治療することで、その後の予防効果も得られます。
トレーニングなどのセルフケアを何年も続けるよりは、専門の医師に早めに相談するというのもよいかもしれません。
なお、目の下の治療たるみの詳細について知りたい方は「即効性を求めるあなたが見るべき目の下のたるみの改善方法」を参考にしてくだい。