これを読んでいる方の中には、黒クマに悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
黒クマというのは、目の下のクマの色による分類で、実は医学的な分類ではありません。
根本にあるのは、皮膚のたるみと目の下の脂肪(眼窩脂肪)を包んでいる膜がゆるんで、眼窩脂肪が手前に飛び出してくることで起こります。すると目の下に影ができ、黒く見えます。
黒クマがある方は、睡眠不足や疲れがなくても「疲れているように見える」とか「眠そうに見える」とよく言われたりします。世の中には様々なセルフケアや化粧品などがありますが、根本的に改善させることは実際には難しいです。
しかし、黒クマは、クリニックで行う最新の治療法を受けると意外と簡単に治ります。目の下のたるみが改善すると「疲れているの?」と言われなくなるだけではなく、若々しく見られたり、元気に見られたりとメリットが大きいです。まず何よりもご自分で鏡を見るのが楽しくなったりします。
今回は黒クマの原因とご自分でできる改善法と、さらに美容整形による根本的な治療法についてお伝えします。ぜひ、参考にしてください。
目次
1.あなたのクマは本当に黒クマ?クマの確認方法について
1-1.クマの種類
クマには色による分類があります。
これは医学的なものではありませんが、治療方針を立てるのには役に立ちます。
ご自分のクマがどの種類のクマなのかを鏡を見ながらチェックしてみてください。
①青クマ・・・寝不足や血行不良で悪化する、青みがかったクマ。
皮膚が薄い方、色が白い方は目立ちやすい。
②茶クマ・・・シミ、くすみ、色素沈着が原因。茶色、黄味がかったクマ。
目をこすったり、紫外線の影響によってさらに濃くなる。
③黒クマ・・・たるみやしわによる影が原因のクマ。
疲れた印象や老けた印象になりやすい。
④赤クマ・・・目の下の脂肪の圧迫により筋肉が透けて見えるクマ。
目の下の脂肪の量が比較的多い方に見られる。
1-2.黒クマを見分けるには?
黒クマ(影クマ)は、目の下の皮膚がたるみ、影が生じることでおこります。
黒クマの見分け方は、があるかどうかの鏡を持った状態で上を見てみます。
顔を上に上げると、目の下の脂肪は移動するので、ふくらみが良くなったように見えます。
目の下の脂肪は「動く脂肪」です。
上を向いて良くなったように見える方は黒クマと判断できます。
ただし、目の下の脂肪が多い方や眼輪筋が厚い方は、上を向いても変化に乏しいことがあります。
目の下のクマの原因と見分け方についての詳細は、それぞれ「なぜか疲れて見える!目の下のクマの6つの原因と治療法」と「いつも疲れて見える30代~40代の方に朗報!目の下のクマの種類の見分け方と自分でできる解消法」をご覧下さい。
黒クマの原因は、目の下の脂肪の突出によるものであると書きましたが、その飛び出す量には段階があります。
目の下の脂肪を包んでいる膜は年々ゆるんできます。
放置した場合、目の下のふくらみは年々大きくなっていきます。
・軽度(上記の①)
ふくらみは軽度です。
涙袋は保たれていて、目の下のくぼみもぼんやりとしていることが多いです。
軽度の例・・・涙袋が保たれています。
・中等度(上記の②)
目の下の脂肪の圧力が上がり、眼輪筋が透けて見えることで、赤く見えることもあります。
脂肪の量が増えると涙袋が埋もれてくるため、涙袋と目の下のふくらみの境目が不明瞭になっていることもあります。
中等度の例・・・涙袋がほとんど不明瞭で、赤みもあります。
・重度(上記の③)
ふくらみがはっきりと目立つ状態です。
この段階では、外側までふくらみが目立つことが多いです。
重度の例・・・巨大な涙袋のようにも見えます。
目の下の脂肪の進行度の詳細は、「即効性を求めるあなたが見るべき目の下のたるみの改善方法」を参考にして下さい。
2.今日から出来る!黒クマの解消方法
2-1.黒クマを目立たなくするメイクの方法
①コンシーラーやファンデーションでぼかす
コンシーラーとファンデーションを上手に活用することで、どの種類のクマもうまく隠すことが可能になります。
メイクの仕上がりをうまくするには、カバー力の大きい製品を使い分け、うまく肌となじませるようにすることです。
②目の下のクマを隠す!コンシーラーのポイント
中途半端にぼかすと逆に腫れぼったくなることもあります。
また、シワが寄って逆にクマが強調されることもあります。
そのため、コンシーラーの量や範囲をうまく調整することが大事です。
また、指ではなくアイシャドー用のチップを使うとうまくぼかせます。
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2-2.どのようにメイクをすれば良いのかのコツ
黒クマの場合、コンシーラーやファンデーションなどはできるだけ薄めにするように心がけましょう。
理由はシワやたるみがあるためです。
使用するコンシーラーは、カバー力は低めのものがよいです。
また、シアーな質感で明るさやツヤを出すタイプがお勧めです。
コンシーラーは、影になっている部分に限定するようにしたほうがよいです。
また、目の下を明るい印象にするために、パウダーを重ねて、ハイライト効果を出す方法もあります。
◎黒クマカバーにおすすめのコンシーラー
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くすみや影を光で飛ばす、ハイライト効果の高いコンシーラーです。
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2-3.黒クマのメイクの注意点
①厚塗りに気を付ける
仕上げをきれいにして、化粧崩れを防ぐポイントとして、厚塗りをしないということがあります。
その理由としては、目の下の皮膚は薄いということがあげられます。
また、目の下はよく動かす場所だからです。
また、目の下の範囲は狭いため、コンシーラーやファンデーションは少しずつ塗るようにしましょう。
②使用順序を間違えない
コンシーラーを何と合わせるかによって順番が変わってきます。
・コンシーラー⇒パウダーファンデーションやおしろい等のパウダー状のもの
・化粧下地やリキッドファンデーションなどをリキッド状のもの⇒コンシーラー
の順になります。
2-4.使うべきでない市販グッズ
クマを隠すために、肌より少し明るいトーンの白色系のコンシーラーや、ラメ入りのアイメイクはお勧めしません。
理由は、逆に小ジワを目立たせてしまうためです。
特に目の下の乾燥や小ジワが気になる方は、ラメなどが含まれないものを使用しましょう。
3.本当に黒クマを解消したいのであれば美容整形での施術がオススメ
目の下のふくらみを取る経結膜脱脂法(脱脂)は、黒クマを改善するのに最も有効な治療法のひとつです。
経結膜脱脂法は比較的簡単な手術なので、多くの医療機関で行っていますが、きれいに仕上げしないと凹凸が残ったりすることもあります。
特に目の下にくぼみがある方は、くぼみ治療も同時に行わないと、くぼんだ印象が残ることが多いです。
脱脂のみで何とかしようとして、術後のくぼみを恐れてふくらみの取り加減が甘いと、膨らんだ印象まで残ってしまうこともあるので注意が必要です。
また、実は経結膜脱脂法は最初でしっかり取らないと再手術では癒着で痛みを感じやすかったり、1回目よりも内出血や取り残しのリスクが上がったりするので、特に最初の手術が大切です。
3-1.経結膜脱脂法が向いている方・向いていない方
「私の黒クマは手術が必要でしょうか」という疑問を持たれている方がいるかもしれません。
経結膜脱脂手術をお勧めするのは以下のいずれかに当てはまる方です。
・笑ったときに目の下に脂肪によるふくらみが出る方・・・注射のみですとふくらみが残る可能性があります。
・赤みがある方・・・脂肪の量が多め(中等度以上ある方)の場合、注射のみですとふくらみ感が残る可能性があります。
・涙袋が消えている方・・・これも赤みがある方と同様の理由です。
もちろん、脂肪の量が「重度」なら脱脂を選択した方がいいです。
経結膜脱脂法を受けられた方の実例です。
術前(左)・・・黒クマ+赤クマがあります。
術後6か月(右)・・・凹凸による影と赤みが改善しています。
術前/1ヶ月後・・・経結膜脱脂+グロースファクターを行っています。赤クマは改善しています。シミ治療は行っていないため、シミはそのままです。
経結膜脱脂法が向いていない目の下のクマ
青クマ、茶クマは経結膜脱脂法は向いていません。
青クマの解消法としては、グロースファクターにより皮膚を厚くすることにより皮膚を透けて見えづらくする方法があります。
茶クマの解消法には、レーザーや光治療による治療、トレチノイン+ハイドロキノンといった塗り薬による治療法があります。
グロースファクターの詳細は、「グロースファクター|これから受ける方が必ず知っておきたい全知識」を参考にして下さい。
3-2.経結膜脱脂手術の内容や流れ/費用
ここでは経結膜脱脂法の手術内容について解説いたします。
また、その費用についても触れたいと思います。
・経結膜脱脂法での切除部位
経結膜脱脂法では、まぶたの裏側から目の下の脂肪を取ります。
↑赤線で囲まれた部分の脂肪を取ると、目の下のふくらみはきれいになります。
青い矢印で示すまぶたの裏側からの進入経路が最短距離です。まぶたの裏の結膜を1cmほど切開して、飛び出している余分な分だけ脂肪を取ります。
・経結膜脱脂法の手順
↑経結膜脱脂法は、このように目を閉じた状態で、ガーゼで目隠しをして行います。
↑下まぶたを「あっかんべー」の状態に裏返し、結膜をレーザーで切開します。
傷は縫わなくても問題ありません。数ヶ月経ってから傷跡を見てもほとんど分からなくなります。
手術時間は40分から60分程度です。手術時間はクリニックによって多少変わります。
それは、脂肪の取り残しの確認を丁寧に行うか、止血処置を丁寧に行うかによります。
脂肪の取り残しがないかをきちんとしないと、ふくらみが残ることがあります。
また、止血を丁寧に行わないと術後に内出血が出やすくなります。
・経結膜脱脂法の費用
一般的な経結膜脱脂手術の費用の目安:20万円~70万円
自由診療であるため、保険はききません。
自由診療の場合、費用は、クリニックの立地、人件費、材料費、治療に対する自信などにより変わります。
また、経結膜脱脂法の場合は、併用するくぼみ治療(脂肪注入やグロースファクターなど)により料金が左右されます。
クリニックによっては、麻酔料金が込みか別途かも異なりますので、事前に問い合わせてみるとよいでしょう。
・経結膜脱脂法のリスク
腫れ、内出血、小ジワ・たるみ、たるみが落ちてくることによるふくらみ、目やに、かゆみ、くぼみ、傷の違和感(軽く引っ張られる感じ)・目を強く閉じた時の軽い痛み、レーザーでまぶた・頬に傷が付く可能性、出血、感染、アレルギー、気分が悪くなる、術直後に目の焦点が合いづらい、下斜筋を傷つけるなどのリスクがあります。
リスクに関しては、クリニックによっては術式などの違いにより異なることがあります。
担当医師に確認してみて下さい。
経結膜脱脂法の詳細は、「経結膜脱脂法とは|手術前に必ず知っておくべき10の知識」を参考にして下さい。
“「脱脂のみ」でうまくいく人、うまくいかない人の違いは?”
- 目の下に「くぼみ」がある場合は、脱脂のみだとくぼんだ印象が残ります。かと言って、控えめに脱脂すると、ふくらみとくぼみの両方が残ります。
- 再脱脂は、内出血や腫れのリスクが上がり、費用もさらにかかってしまいます。最初の手術でしっかりと脂肪を過不足なく取ることが重要です。
3-3. 目の下のふくらみが軽度の場合は、グロースファクター注射のみの治療も可能
目の下のふくらみが軽度の場合は、グロースファクターのみでも治療できることが多いです。
施術前・・・目の下には脂肪による軽度のふくらみがあります。(右>左)
また、うっすらとハの字状にくぼみがあり、凹凸による黒クマがあります。
施術直後・・・冷やしたためで、一時的に赤くなっており、注射の跡もごくわずかです。
3ヵ月後・・・皮膚のハリが出ています。黒クマが改善しました。
3-4.中等度以上の脂肪のふくらみがある方は、グロースファクターのみで治療する場合は、「目の下」だけではなく「頬」まで治療する
脂肪の量が中等度以上のの場合、脂肪の突出によるふくらみが治療のネックになります。
「ふくらみを取らずにふくらみを治す」という一見矛盾したことを行うためには、それなりにハードルが高くなります。
グロースファクター注射のみで中等度以上の方の黒クマを治療する場合、「目の下」だけでは不十分なことが多く、「頬」の領域まで治療された方が目の下にハリがしっかり出るためにきれいに仕上がります。
①が目の下、②が頬の領域です。(範囲は多少個人差があります)
グロースファクターは、隣り合った部位を施術すると相乗効果が発揮されます。
一枚の皮膚でつながっているため、お互いが綱引きのように引き合うようことで単独で治療するよりもよりよい結果になることが多いです。
目の下と頬は隣接した部位なので、両者を施術することで、効果がより高まります。
なお、目の下の脂肪が軽度の場合は、グロースファクターのみでも治療可能ですが、脱脂の方が明らかにすっきりとします。
グロースファクターのみですと、笑った時などにふくらみが残ることもあります。
グロースファクターのみによる黒クマの治療例
施術前・・・中等度の脂肪があります。
施術直後・・・目の下+頬のグロースファクター注入療法を受けられました。目の下のくすみに関しては、メラフェードも併用されています。
2年4ヵ月後・・・目の下にはふくらみが多少残っていますが、最初に比べるとだいぶ改善しています。
3-5.高周波による目の下のクマ治療(アグネス)について
アグネスは、針を皮膚に刺し、その先端から高周波を出し、その熱で脂肪を縮ませる治療です。
軽度の内出血や腫れがありえるものの、比較的気軽にできる治療です。
注意点としては、眼球近くで出血が起こった場合、止血が難しく大きく腫れる可能性があることと、目の下に元々くぼみがある場合、ふくらみをしっかり治すとへこんだ印象になってしまうことがあり得ます。
ご自分に近い症例写真をしっかり吟味することをお勧めします。
なお、サーマクールアイズのような、皮膚表面に高周波を当てる治療では黒クマの改善は難しいです。その理由は、黒クマの原因は目の下の脂肪の突出が深部で起こっているからです。(後述)
4.黒クマの原因 ➖目の下のたるみの起こるメカニズム➖
たるみとは、「引き伸ばされて、伸びきっている状態」のことです。
目の下のたるみがおこる主な原因には以下の2つがあります。
・目の下の脂肪を包んでいる膜がゆるむ
・目の下の皮膚のコラーゲンが減少(眼輪筋が透けて、ハの字にくぼみが出る)
さらに、脂肪の突出により皮膚が伸ばされます。
これもたるみの原因です。
その他、眼球やまぶたを支えているじん帯(眼球の下に横方向に橋渡しされています)のゆるみも関連するとされます。
目の下の脂肪(眼窩脂肪)が出やすい方の特徴
眼球の下には眼窩脂肪と呼ばれる脂肪があります。
眼窩脂肪を包んでいる膜がゆるんでくることで、手前に脂肪がこぼれてくるような形で飛び出してきます。
これは10代で起こる方もいれば、高齢になっても起こらない方もいます。
これは、壁の役割をする頬の骨の角度・高さによるところが大きいです。
壁が高いと脂肪の突出を食い止めます。
骨格は遺伝によるところが大きいです。
また、上の図の矢印の位置にハの字状あるいはU字状にくぼみが生じます。
これは、おもに紫外線による皮膚のコラーゲンの減少が原因です。
コラーゲンの減少には、喫煙、糖質(甘いもの)などの生活習慣も関与しています。
このふくらみとくぼみは、同時に出てくることが多く、両方あることで、たるみ感が増します。
したがって、治療する場合は、両方治療した方が、改善度が高くなります。
片方だけの治療だと、不満足な結果になることが多いです
まとめ
黒クマがあると、疲れて見えたり、老けて見えたりすることがあります。目元は、顔の中でも印象を左右するパーツなので、目の下のたるみをきれいにしておくことで、周りからの印象が良くなり、さらにご自身の気分も変わると思います。もし気になられるようであれば、専門のクリニックに相談すると根本的に解決できるでしょう。