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脳トレのアプリはまだやるな!脳を簡単に若返らせる12の方法

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この記事を読んでいる方の中には、最近脳の衰えを感じていることがあるのではないでしょうか?

脳は老化すると、認知機能が低下するおそれがあります。

例えば、ものごとを思い出しにくくなったりします。あるいは、車の運転中に危険を察知して、ブレーキを踏むという反応も脳の老化とともに鈍くなってきます。

現在のところ、認知症の主な原因疾患であるアルツハイマー病や脳血管疾患の根治的治療法は確立されていません。

ゲーム機やパソコンを使ったいわゆる脳トレで認知症が予防できるかに関しては、十分な研究はこれまでなされてなく、結論は出ていません。
コンピューターによる脳トレを行っても、トレーニング課題の処理能力がアップしただけで、認知機能全般の改善効果は見られなかったという研究結果があります。

認知症を早期に予防したり、発症を遅らせたりするために有効とされる取り組みが大切です。

実は、脳の若返りは取りかかるのには遅すぎるということもなく、早ければ早いほど効果的です。

ここでは、脳の若返りと老化防止に役立つ方法をご紹介いたします。

もちろん、医学的に明らかでないこともたくさんありますが、現時点でわかっていることを説明するとともに、具体的な行動をご紹介します。

ぜひ、参考にしてみて下さい。

1.脳が老化する3つの原因

1-1.血流が悪くなる

・細動脈の蛇行による血流低下

脳血管、特に細い動脈が蛇行することで血流が低下したり、白質と呼ばれる部分が薄くなったり(leukoaraiosis)します。その他、正常な血管が減少することもあります。

結果として、脳への十分な栄養の供給が困難になり白質希薄化による認知機能障害の原因となる可能性が報告されています。

・血管内皮の拡張機能が低下する

血管内皮の拡張機能は加齢とともに低下します。血管内皮細胞はスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)などの抗酸化酵素により酸化ストレスから保護されていますが、活性酸素種(reactive oxygen speciesROS)による酸化ストレスにより障害を受けます。

・毛細血管の数の減少

脳の血管密度は加齢とともに減少し、毛細血管の数も減少します。また、血管周囲のスペースの髄液の流れが悪くなります。

これは、血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factorVEGF)が老化により減少することが関与すると言われています。

脳虚血および低酸素により傷害を受けた血管の回復が十分起こらなくなってしまいます。また、静脈周囲の膠原線維が肥厚し、そのために血管周囲腔の髄液の流れが低下します。

1-2.ゴミがたまる

糖質を処理できずにたまる代謝物質が蓄積することで脳の機能は低下します。また、酸化ストレスによる炎症もアミロイドβ蛋白質( Aβ:下記専門用語解説参照)の産生を増加させ、タウ蛋白という脳の機能に重要な蛋白質が障害(過リン酸化)され、神経変性を起こします。

糖尿病やインスリン抵抗性により酸化ストレスや終末糖化産物(advanced glycation end productAGE)の蓄積が増加します。また、インスリン分解酵素の活性化や炎症性サイトカインの増加も引き起こされます。

1-3.脳の萎縮

MRIを用いた研究で、前頭前野の外側部や海馬は、側頭葉や後頭葉など他の部位に比べて、年齢とともに減少することが報告されています。

前頭前野や海馬の加齢による構造変化は、実行機能や記憶機能の低下につながります。

これらの部位が加齢の影響を受けやすい原因のひとつに、ストレスの影響を受けやすいことがあげられます。ストレスに曝露されると、視床下部-下垂体-副腎皮質軸(HPA軸)が活性化し、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。

しかし、加齢とともにストレスへの耐性が低下します。フィードバックして調節する機能ができにくくなり、慢性的にストレスホルモンの分泌が高まります。

前頭前野や海馬にはコルチゾール受容体が多く存在しています。慢性的なコルチゾール濃度の増加により神経細胞は死を誘導されます。高齢者ほどストレスの影響を受けやすい傾向があるので注意が必要です。

神経細胞の生存を維持するには?

ヒトの脳において、一部の部位では神経細胞の新生(neurogenesis)が行われています。

「学習」により新生神経細胞の生存率は高まります。学習が与えられるのが生まれて1週間以内なら生存し、古い細胞と置き換わることで神経細胞数は一定に保たれます。

高齢になってもニューロンの新生は起こりますが、その生存期間は短くなります。

脳由来神経栄養因子(brainderived neurotrophic factorBDNF)は、運動により産生が増え、新生神経細胞の生存維持を促進します。

2.今から始められる5つの脳若返り法

ここでは脳の若返りに有効とされる対策をご紹介いたします。

特に習慣的な運動、抗酸化物質や抗炎症成分を多く含む食物の摂取、レジャー、社会参加、知的活動への参加が認知症発症の予防になるという報告があります。

2-1. 運動

・まずは有酸素運動から

有酸素運動により脳の血管の若返りが期待できます。ある程度きついと感じる有酸素運動を短い時間から無理せず始めてみることが効果的です。

6か月~1年の中強度以上の有酸素運動トレーニングにより前頭前野や海馬の体積が増加することや、その機能が高まることが明らかになっています。

有酸素運動によってもたらされた血管の新生や脳血流量の増大により関連した領域における脳の容量が増加おこると考えられています。

・早めに開始した方がよい

若いうちに始めるに越したことはありませんが、中年期、高齢者でも有効です。

18歳時の有酸素運動能力は認知機能とよく相関します。関連する要因としては、遺伝要因より環境要因のほうが大きいです。したがって、若年期に大いに運動することは、高齢期の認知機能低下を予防するうえで重要です。

一方、中年期の運動は認知症の発症を下げ、高齢者では記憶機能の改善をもたらします。

中年期においてトレーニングを行っている群では、トレーニングを行っていない群よりも、中心動脈硬化および後頭・頭頂葉の血流低下が抑制されており、認知機能もよりよいという研究結果があります。

また、海外で行われた研究結果では、中年期(5065歳)に中程度の運動をした人だけではなく、高齢期に運動をした人でも軽度認知障害(MCI)の危険率が低下したという結果が出ています。

・運動を継続する

日常的にトレーニングを行うことで、中心弾性動脈硬化が減り、その結果、脳内のグルタミン酸の過剰発現やAβの蓄積が抑制される可能性が指摘されています。高齢者に対しても、有酸素性運動トレーニングにより前頭前野の活性化がおき、実行機能をはじめとした認知機能を高める効果があります。

トレーニングを行うことで、インスリン抵抗性が起きにくくくなる(神経に有害な糖を代謝しやすくなる)ことも報告されています。インスリン抵抗性は認知機能低下を起こすので、それが抑制されることも考えられています。その他、脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factorBDNF)の産生を増強し、新生神経細胞の生存維持を促進する効果もあります。

2-2.室内で行うレジャー

特に室内で行う趣味やレジャーは、脳への刺激により認知症のリスクを下げる効果があります。例えば、読書、書き物、クロスワードパズル、ボードゲームやトランプゲーム、グループ討論、音楽の演奏などです。11回程度を行うことをお勧めします。

身体的レジャー活動(テニス、ゴルフ、水泳、サイクリング、ダンス、グループ体操、チームゲーム、ウォーキング、階段の2段飛び上り、ベビーシッター)では、認知症の予防となる傾向は見られるものの、はっきりとした有効性は示されていません。

2-3.教育

教育レベルを上げることで、認知機能の低下を遅くすることができます。また、教育により脳の予備能が増え、脳の衰えを防ぐことができます。特に小学校低学年の義務教育と高等教育が脳の予備能の維持に重要です。同じ程度の病的変化でも、現れる脳機能障害の程度には脳の予備能によって個人差が出ることもあります。脳の予備能は、脳の大きさの差よりも、ネットワークの獲得・維持の差あるいは代償機能の差によることが大きく、教育に大きく影響を受けます。

60歳以上の健康な人を対象としたある研究では、教育を受けた期間が8年以下の人はそれ以上の期間教育を受けた人より認知症が2.2倍も多かったという報告があります。また、これは職種によっても差がみられ、低技術(low skill)の職種では高技術(high skill)の職種より225倍認知症が多く見られています。

その他、海外の60歳以上の人を対象とした他の研究では、教育を全く受けなかった人は3年以上の教育を受けた人より7.8倍認知症が多かったことが示されています。

2-4.ストレスを避ける

慢性心理ストレスにより神経内分泌系、免疫系、代謝系、および心血管系の変化がおき、老化を促進する可能性が指摘されています。

ストレスを完全になくすことを目標とするよりは、ストレスを適度になるようにコントロールすることを目指すとよいです。ある程度のストレスは、老化防止になります。

その理由は、ストレスは条件次第では老化に抑制的に作用することもありるためです。これはホルミシス(hormesis)概念で説明されます。ホルミシスとは、大量では有害作用をもつ作用源が少量ではむしろ有為の作用効果を示すことをいいます。ホルミシスを誘導するものとして、運動負荷、フィトケミカル(レスベラトロール、クルクミンなど)、熱放射線が挙げられます。

ここで注意すべき点は、前述のように、高齢者ではストレスに対する抵抗力が低下していることです。

2-5. ほどほどの体脂肪(やせすぎない)

一般にアルツハイマー病(AD)になる方は、肥満傾向のことが多いです。

AD診断時には体重が減少している傾向があり、認知症発症の数年前からすでに体重の減少傾向が見られることが多いです。また、老年期においては、BMI低値や体重減少がADの発症・促進と関連することも知られています。

高齢男性においては、むしろ皮下脂肪の貯留は良い方向に働いている可能性が指摘されています。

一方、脂肪細胞から分泌されるアディポカインと呼ばれる生理活性物質は、脳神経に影響を与え、認知機能が低下する可能性も報告されています。

3. その他の脳の若返りにお勧めの方法7

上で脳の老化の説明をしましたが、脳の萎縮を防ぎ、血流改善とゴミがたまらないようにすることが重要です。

ここでは、その他の脳の若返りにお勧めの方法をご紹介いたします。

3-1. EPA・DHAをとる

サバやイワシなどの青魚に含まれるエイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acidEPA)やドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acidDHA)は、もともと脳に多く含まれる物質です。

摂取することで、脳神経細胞の機能改善が期待できるとともに、脳卒中予防効果があります。

食事の種類で言うと、魚介類が豊富な地中海食がお勧めです。

フランスで65歳以上の住民1214人を4年間フォローしたある研究では、血性の高EPA群では認知症の発症が33%減少、高DHA群でも24%減少していました。

逆に、高血清リノール酸群では1%増加し、血清ω6/ω3比の高い群でも9%増加しました。

また、日本人のアルツハイマー病患者では、正常対照群と比べて炭水化物と脂質摂取が多く、とくに脂質ではリノール酸やアラキドン酸などのω6系脂肪酸摂取が多いという報告があります。

その他、DHA1900mg、6ヶ月摂取することで、学習能力や記憶力が改善したという報告もあります。

3-3. 緑茶、赤ワインをとる

緑茶には、血管の抗炎症効果・アンチエイジング効果を発揮していることが示唆されています。緑茶に含まれるカテキンは、酸化ストレスを軽減する効果があります。また、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガラートなどの成分には、降圧効果をはじめ、抗コレステロール作用、抗血糖作用、抗酸化効果、抗老化効果、抗がん作用、抗アレルギー作用などの効果があります。緑茶は、認知症リスクを下げる効果があると報告されています。緑茶を15杯以上飲むと、認知症リスクが0.46倍に低下します。

一方、紅茶やウーロン茶、コーヒーではこのような効果は認められません。これは、緑茶に含まれるカテキン量が67.5mg/100 mlと高いためかもしれないと考えられています。

また、赤ワインに含まれるポリフェノールも緑茶と同様の効果を有することが知られています。

3-4.抗酸化作用がある食品をとる

活性酸素による過酸化脂質の形成は、グルタチオンやビタミンEC、ポリフェノールなどの抗酸化作用を有する物質で緩和されます。

強い抗酸化作用、抗炎症作用がある物質により、動物実験で記憶機能の改善効果が示されています。

魚の摂取、DHAの摂取は認知症のリスクを下げることがコホート研究で示されています。

しかし、DHAに限らず多くの抗酸化物質の効果は、介入研究では確認できていないことに注意が必要です。

・抗酸化作用、抗炎症作用がある食品は?

ここでは、抗酸化作用・抗炎症作用を持つ食品とそれに含まれる栄養素をご紹介いたします。

・イチゴ類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ストロベリーなど)・・・ポリフェノール

・果物や野菜ジュース・・・ポリフェノールやビタミンC

・クルミ、胡麻その他のナッッ類や魚卵・・・ビタミンE

・ウコンの乾燥粉末ターメリック・・・クルクミン

・米糠・・・フェルラ酸

・エビ・カニ・鮭の赤い色素・・・アスタキサンチン

・魚油・・・ドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acidDHA)、エイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acidEPA)などの多価不飽和脂肪酸

・エゴマ油・グリーンナッツ油・・・ω3脂肪酸を多く含みます。サバの切り身10g中にDHAは約2300mg含まれています。

・水素水にも抗酸化作用がある?

水素ガス(H2)は、ヒドロキシルラジカルという活性酸素を除去します。活性酸素には生体内で有用なはたらきをするものもありますが、それらとは反応しません。水素を水に溶かした水素水にも抗酸化作用があり、パーキンソン病の進行を若干遅らせたという報告があります。また、水素水には副作用はありません。水素は水に多く溶けないので、効果を期待するためには、水素水は1日に1L程度飲む必要があります。また、水素はペットトボトルでは拡散して抜けてしまうので、アルミの容器に入れる必要があります。

3-5.古い食品、特に脂質の大量摂取は避ける

過酸化脂質の産物であるacroleinや4-hydroxynonenalと呼ばれるものは、「長寿遺伝子」「若返り遺伝子」とも呼ばれるサーチュイン遺伝子を抑制する化合物です。

これらを多く含む古い食品、特に脂質の大量摂取は避けたほうがよいです。

3-6.夕食を早めにとり、夜遅い時間には食べない

カロリー制限により、サーチュイン遺伝子が活性化され、寿命延伸が起こります。また、断食はオートファジーを高めアンチエイジング効果を有すると考えられます。

断食までしなくとも、夜8時くらいに夕食をとり朝8時まで何も食べない、あるいは夜10時ごろ夕食をとる人は朝食を抜いて飢餓状態をつくることは有用かもしれません。

これは、オートファジーと呼ばれる、細胞を再利用する機能が関与していると考えられています。

ストレスにより傷ついたミトコンドリアは、活性酸素が漏れ出して細胞にとってたいへん危険な存在となりますが、これをオートファジーで取り除くことにより抵抗性を獲得することになります。

・カロリー制限と同様の作用を示すレスベラトロール

SIRT1を活性化する赤ワインやぶどうジュースに多く含まれるレスベラトロールもカロリー制限と同様の作用を示すと考えられます。

このほか、ケルセチン、クルクミン、カテキン、レプチンもSIRT1を活性化します。

ただし、赤ワインに含まれるレスベラトロールは微量であり、寿命延伸効果を得るには大量の赤ワインを飲む必要があり、現実的ではありません。

3-7.歯周病があれば早めに治療する

脳の老化は、炎症性サイトカインの産生を増強し、脳機能の障害をもたらします。

脳の老化により生じる代謝物質の蓄積に対して免疫反応が起こることが原因と考えられています。また、歯周病や全身の炎症反応も脳機能に悪影響を与え、老年期認知症の危険因子になります。

・薬物による治療

スタチンについては抗酸化作用だけでなく、内皮細胞の低密度リボ蛋白受容体関連蛋白質1LRP1)(lowdensity lipoprotein receptorrelated protein)を介したAβの排出促進作用もあります。

アセチルコリンは学習、記憶に関与し、高齢者やとくにAD患者、レビー小体病患者で減少しており、塩酸ドネペジル(アリセプト)はアセチルコリンエステラーゼを阻害し、脳のアセチルコリン伝達を改善することで記憶機能を改善する作用があり、アルツハイマー病の治療に用いられています。

一部の漢方薬(釣藤散、黒味地黄丸、抑肝散など)に前頭葉機能の加齢性変化を抑制する作用があります。

抑肝散は認知症に伴う行動心理学的症候(BPSD)に対する効果や高齢者の睡眠障害に対する改善効果が示されています。

4.記憶力を上げる方法

4-1.レシチンやホスファチジルコリンを多く含む食品(大豆、ピーナッツ、鶏卵)をとる

記憶の低下は、老化による海馬の神経原線維変化と神経伝達物質の減少により起こります。

アセチルコリン受容体拮抗薬であるスコポラミンは、記憶機能の低下を引き起こし、アセチルコリンを高めることで記憶をはじめとする認知機能が改善します。

アセチルコリンの前駆体であるコリン入りの餌を与えたネズミは記憶力が優れていたという実験結果があります。

大豆、ピーナッツ、卵黄などには、コリンの前駆物質であるレシチンを多く含みます。これらの食品摂取による記憶力の回復増強効果があると示唆されています。

大豆や鶏卵に多く含まれるホスファチジルコリンの摂取により、記憶機能が改善することが示されています。

4-2.適切な睡眠をとる

就寝後間もなくして深い睡眠であるノンレム睡眠を得ることで脳が休息し、前日の嫌な記憶が消され、心の疲れも取り除くことができます。

3~4時間の短時間睡眠では、朝方の長いレム睡眠を獲得できないために、記憶の定着ができなくなります。

質のよい睡眠を得るために有効な方法は以下の通りです。

1.適度な運動を習慣づける

日本人高齢者を対象とした研究では、週5日以上で130分以上の歩行を行っている人や、週5日以上の運動を習慣づけている人では、入眠困難や中途覚醒を訴える割合が低いと報告されています。

ただし激しすぎる運動は睡眠を妨げる逆効果もあるので、適度な運動量を心がけるとよいです。

2.朝食をとる

睡眠と覚醒のリズムが不規則であると、朝食の欠食、もしくは朝食摂取量が少なく、昼食や夕食に摂取量が偏る傾向があるという報告があります。

朝食を摂ることで、心身を目覚めさせ、元気に一日を始めることができます。

3.就寝前の飲酒、喫煙やカフェイン摂取を控える

日本人は寝酒の頻度が高く、週1回以上の寝酒は男性では48.3%、女性では18.3%と報告されています。

日本人は睡眠薬代わりにアルコールを摂取する割合も高いです。その割合は、日本人は30.3%であるのに対して、他10ヵ国は平均19.4%という報告があります。

飲酒により寝つきは早くなりますが、眠りが浅くなります。

就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避けることも重要です。

タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があり、喫煙本数が多いほど不眠の割合が高いと言われます。ニコチンは体内で約1時間作用するため、就床1時間前の喫煙や、中途覚醒時の喫煙は避けるべきです。

カフェインの覚醒作用と利尿作用も知られています。カフェインは摂取後30分~1時間でピークとなり、半減期は35時間です。よって、夕食以降のカフェイン摂取も制限するとよいです。

4.睡眠環境を整える

寝室は、静かで暗く、季節に応じた適切な温度と湿度が保たれているとよいです。

寝室の温湿度設定、騒音、光、寝具などは睡眠の質に影響すると言われています。

無音で暗室での睡眠状態の実験では、不安や緊張が高まり、覚醒度が高まることもあります。

目からの光情報が脳内の体内時計に作用し、睡眠一覚醒リズムを調整しますが、寝室は白熱電球のような暖色系の0.20.3ルクスの足元灯程度の薄暗さが適しています。

逆に、朝の起床時に寝室を徐々に明るくすると、体内時計の作用で睡眠が浅くなり、起床時の目覚めがよくなります。

起床後なるべく早く太陽の光を浴びると、1516時間後に眠気が出現するように体内時計がリセットされ、適切な覚醒と睡眠のメリハリがつきます。

5.午後30分以内の仮眠をとる

生活や仕事の都合で十分な睡眠時間を確保できない場合は、昼間の30分以内の仮眠をとるとよいです。

それ以上長い仮眠は睡眠慣性(目覚めの悪さ)が生じるため、30分以内がよいです。

30分以下の昼寝は認知症の予防にもなります。

・加齢による物忘れの原因

脳のネットワークには2つの種類があります。

ひとつは、意識的な反応に関わるネットワーク(task positive network)です。これが活性化する時は、他は抑制されます。

もう一つは、ぼんやりと空想するような時に働くデフォルトネットワーク(default mode network)です。デォルトネットワークは脳のエネルギーの80%を消費していると言われます。その他、脳の創造性機能にも関わっており、これが障害されると加齢によるもの忘れやアルツハイマー病における初期の記憶障害が起こります。

まとめ

脳が老化する原因には3つあります(血流の悪化、ゴミがたまる、脳の萎縮)。それらを予防する方法には運動やストレスの回避、食べすぎないなどさまざまな方法があり、早めに取り組むに越したことはありません。ぜひ、この記事を参考にしてみて下さい。

専門用語解説

・アミロイドβ蛋白質 (amyloid β-protein;Aβ)

アミロイドβ蛋白質前駆体よりプロセシングされ生じる、凝集性の高い約40アミノ酸残基の蛋白質。主要な分子種としてAβ1-40、より凝集性の高いAβ1-42が存在する。アルツハイマー病やダウン症候群にみられる病理学的変化である老人斑、脳アミロイド血管症(アミロイドアンギオパチー)の主成分の1つ。家族性アルツハイマー病の原因遺伝子、およびアルツハイマー病の危険因子は、Aβの産生、蓄積を促進しAβ自身に神経毒性があることから、Aβ産生、蓄積の異常がアルツハイマー病の発症原因とするアミロイド仮説が提唱されている。

軽度認知障害mild cognitive impairmentMCI

認知症ではないが正常ともいえない境界域の知的状態を意味する。アルツハイマー病の予防やその根治治療薬開発などの観点から、認知症の前駆状態として近年注目されている。MCIという用語により複数の研究者が異なる定義をしてきた。今日の主流はピーターソン(Petersen RC)の定義によるものである。これは本来、記憶障害に重点の置かれた診断基準であった。疫学的には、地域に暮らす一見健常な65歳以上の人のおよそ5%程度が該当するとされる。こうした人々の約半数が4年以内に認知症に進展するといわれる。その診断基準と亜型分類に関してはまだ確立してないが、基本は以下の点にある。①主観的な物忘れの訴えがある。②年齢に比し記憶力が低下(記憶検査で平均値の1.5SD以下)。日常生活動作は正常。全般的な認知機能は正常。認知症は認めない。

・ホルミシス

大量では有害作用をもつ作用源(各種)が少量ではむしろ有為の作用効果を示すことをいい、熱などの物理的、いわゆる毒物などの化学的物質など多くの作用源で認められる現象である。現在では、少量で生体に引き起こされる、大量時と質的に異なる、特異的生理的効果の全てに用いられている。放射線でも従来、大線量でみられる現象は少線量でも、量的な違いはあるとはいえ、質的には同様にみられるとされ、放射線防護上のリスクはこの考えのもとに推定されていたが、150cGyの低線量では放射線前処理による放射線抵抗性の誘導現象、染色体異常誘発抑制、個体の放射線抵抗性誘導、あるいは発癌の抑制など、いわゆる適応応答や抗ストレス作用などを含めて、分子、細胞あるいは個体レベルで多くの報告がある。

・アルツハイマー病

アルツハイマー病(AD)は緩徐進行性の記憶障害あるいは認知機能障害があり、老人斑、神経原線維変化、神経細胞の脱落を特徴とする神経変性疾患であり、認知症疾患の約6割を占め最も多い.中核症状としては、記憶障害をはじめとして判断力低下、見当識障害、失語、失行、失認などの症状がある.周辺症状として不安、抑うつ、興奮、徘徊、妄想などの行動・心理症状(BPSDbehavioral and psychological symptoms of dementia)がみられ、これらの症状は介護上問題となる.

・アディポカイン

脂肪細胞はエネルギー源としてのトリグリセリドを貯蔵するのみならず、内分泌細胞としての機能を保持しており、多くの生理活性物質を分泌している。脂肪細胞から分泌される生理活性物質をアディポカインと総称する。アディポカインには糖尿病、高脂血症、高血圧症などの生活習慣病や動脈硬化を促進させる物質と、逆に、こうした作用を抑制する物質の双方が含まれる。前者は大型の脂肪細胞から分泌され、TNF-αPAI-1HB-EGFheparin-binding epidermal growth factor-like growth factor)、アンギオテンシノゲン、レジスチン(resistin)などが含まれる。後者は小型の脂肪細胞から分泌され、レプチン、アディポネクチン(adiponectin)などが知られている。TNF-αやレジスチンはインスリン抵抗性を惹起し、PAI-1は血栓の形成を促進する。HB-EGFは血管平滑筋の遊走・増殖を誘導し、アンギオテンシノゲンは血圧を上昇させる。レプチンは視床下部の受容体に作用して食欲を抑制し、アディポネクチンは骨格筋における脂肪酸の酸化を促し、グルコースの取り込みを促進してインスリン感受性を改善させる。内臓脂肪症候群では内臓脂肪の蓄積に伴いアディポネクチンが低下し、TNF-α、レジスチン、PAI-1、アンギオテンシノゲンが増加することで、インスリン抵抗性、血栓形成、血圧上昇などが誘発される。

・睡眠の種類

睡眠には2種類ある。

ノンレム睡眠nonrapid eyemovement sleepnon-REM sleep)・・・脳が休む睡眠である。眼球が動いていない状態。脳が休息している状態で、体の筋緊張は保たれている。また、副交感神経も優位である。ノンレム睡眠は3つのステージに分類され、浅い睡眠のStage NlN2と、深い睡眠のStage N3がある。深睡眠のStage N3では、徐波睡眠(slow wave sleep: SWS)という大きくてゆっくり動く脳波波形が現れる。SWSは、①抗加齢的な作用を有する成長ホルモン(growth hormoneGH)の分泌、②免疫機能のバランスに関与、③運動による増加、④多くの睡眠障害の存在下で減少、などと報告されている。進化の上で、レム睡眠はノンレム睡眠よりも古い睡眠と考えられている。ノンレム睡眠は、脳の進化に伴い、脳を休ませないといけないという必要性から発達した睡眠と考えられている。

レム睡眠rapideye movelnent sleep: REM sleep)・・・眼球が急速に動いている状態の睡眠。体が眠っているにもかかわらず脳は活動状態にある睡眠で、その一方、抗重力筋は弛緩状態にあり、急速眼球運動のほかは体動がみられない。夢を見ている状態の多くはレム睡眠のときである。睡眠自体は浅いが、体は休息しており、前日の記憶を定着する、ストレス処理をするなどの重要な役割がある。

ノンレム睡眠とレム睡眠は1セットで、約90分周期で出現し、一晩の睡眠で45セット繰り返される。正常な睡眠では、入眠後にStage N3が出現し、睡眠の後半になるにつれてStage N1 N2が増える。また、レム睡眠は、睡眠の前半では入眠後90分程度で1回目が出現するが、短時間で数十秒ということもあるが、朝方になるにつれて長くなり、30分近く持続することもある。

文献

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今日の診療プレミアムWeb

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