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その表情筋トレーニングは逆効果?医師が教える効果的なトレーニング

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表情筋トレーニングは、顔の筋肉を鍛えることで、シワ・たるみが改善するとされている方法です。

加齢が気になっている方で、表情筋トレーニングが本当に有効かどうか気になっている方を知りたい方も多いのではないでしょうか?

実は、間違った方法で行うと逆にシワが悪化することもあります。

しかし、正しい方法で行うと表情や笑顔が改善します。これは、頬の筋肉がほどよく収縮した状態を維持することで、皮膚を持ち上げるからです。

表情筋トレーニングでは皮膚そのものの質は変わりませんが、ご自分で継続して行うことで、他の力に頼ることなく、ご自身本来の可能性を引き出すことができます。

ここでは、表情筋トレーニングの有効性とその方法、注意点について解説いたします。

読み終えて頂ければ、表情筋トレーニングを正しく行い、豊かな表情や笑顔になることができます。

ぜひ、ご参考にして下さい。

表情筋は、頭部、眼の周囲、鼻部、口周りの筋に分けられます。口周りの筋は数が圧倒的に多く、笑顔に関連しています。そのため様々な表情筋トレーニングの方法が存在しています。

詳しくは、「たるみや笑顔を改善!表情筋を鍛える前に確認すべき表情筋の全知識」をご覧ください。

各表情筋の名称

1.医学的に証明された表情筋トレーニングはほとんどない

表情筋トレーニングは、簡単にできる方法なので様々な人が自分のやり方を考案しています。

どの方法が有効かは実例を見て判断するしかありません。

ここでは、効果を正確に判断する方法についてご紹介します。

1-1.医学的に検証する場合はこうしている

例えば、ブラジルの大学で行われた18名の被検者を用いた表情筋トレーニングの研究では、以下のような撮影条件を設定していました。これは条件を変えてしまうと、効果が証明できにくくなるためです。表情の違いにより頬が上がったり、光の加減で疲れて見えたりします。

・同じ部屋・同じカメラを使用する

・カメラの三脚の高さを一定にする

・毎回メイクがない状態で撮影する

・無表情で撮影する

・体重の増減や生活習慣の変化がないようにする

・主観が入らないようにするため、第3者がパーツのみで比較する

1-2.医学的に検証した結論

結論から言うと、医学的に証明された表情筋トレーニングはほとんどありません。

つまり、表情筋トレーニングは、効果が出づらく、再現性に乏しいと言えます。

ただし、一部の研究では、口周りのシワの改善や笑顔の改善効果が報告されています。

比較研究をまとめたもの(review

9つの表情筋トレーニングに関する研究をまとめたある論文があります。

9つの研究ではいずれも肯定的な結果が出ていたものの、いずれの研究も対照群および無作為化プロセスを使用していませんでした。さらに、ほとんどの研究における有効性評価は純粋に主観によるものであるため、「有効であると結論付けることはできない」としています。

 

ある表情筋トレーニングの指導者の実例写真を見てみると・・・

表情筋トレーニングで有名というある方の写真を見てみました。(残念ながら許可を得ておらず写真は掲載できません)

ホームページには10年間の経過写真が掲載されています。

明らかに撮影条件(明るさ、高さ、表情)は異なります。

トレーニングの効果か、顔は多少若返っている印象です。

しかし、首は年齢相応に徐々に老化しています。

よく考えると、首にも広頚筋などの筋肉があり、表情筋トレーニングで効果が出るはずです。

顔は本当にトレーニングだけによる効果でしょうか?

実はこういった方も美容医療を受けているという話を美容医療関係者から聞いたことがあります。

1-3.インターネットで紹介されている方法は根拠のないものが多い

ネットではさまざまな表情筋のトレーニング方法が紹介されてます。

誰でも容易にできるため、様々な方が自己流の方法をあみだしています。

Googleで「表情筋トレーニング」、「顔の筋トレ」で検索した時の重複や無関係なサイトを除いた上位24サイトについて検討しました。

根拠の信頼性

症例写真

弱い医学的根拠・・・4

撮影条件が異なる写真・・・2

根拠に乏しい・・・20

写真なし・・・22

この結果から、ネットの情報は、方法については書かれていても、よくて弱い根拠に基づいているか、ほとのど根拠のないものです。また、症例写真もほとんど掲載がなく、掲載されていたとしても撮影条件が異なるものだったりします。

したがって、ネットで紹介されている方法はあまり信用できないと考えられます。

2.効果が確認されている2つの方法

医学的に効果があると結論づけられる表情筋トレーニング方法はないとされているものの、その中で「比較的ポジティブな結果」が出ているものをここでは紹介いたします。

必ず効果が出ると断言は出来ませんが、一定の結果が出ているものを3つあげました。

2-1.上口唇のトレーニング

前述のブラジルの大学で行われた18名の被検者を用いた表情筋トレーニングの研究で、額・上唇・口周り・二重アゴ・ほうれい線の改善効果を調べた結果、以下の方法がその中で唯一効果がありました。

表情筋トレーニングイラスト

図のように親指を唇の前に当てます。次に唇を押し出しながら、親指を歯茎に向かって押し当てます。

これを6秒維持します。第1週は15回、第2週は7回、第3週から10回と回数を増やしていきます。7週間程度で見た目の若返り効果が期待できるという結果が出ています。

2-2.スマイルトレーニング

スマイルトレーニングは鏡を見ながら、きれいな笑顔を作るための筋肉を鍛える方法です。

・スマイルトレーニングの実際

ステップ1口の形に注意しながら「イ・エ・ア・オ・ウ」とゆっくり発音します。

これを朝晩35回行います.

ステップ2人さし指を両方の口角に当て、後上方に引き上げます。そのまま15秒間維持し、5秒休みます。

これが楽にできるようになったら30秒、45秒、60秒としだいに時間を長くします。これを35回繰り返します。

このとき上下の歯は軽く触れている程度にします。大きな笑いのように前歯は開かないように注意しましょう。(これが意外と難しい方もいます)

ステップ3慣れてきたら、人さし指を使わず、自分の表情筋の力だけで口角を左右対称にできるかぎり後上方に上げた位置で止めます。15秒間維持し、5秒休み、しだいに時間を長くします。

この時、鏡を見ながら左右対称に上げるように気をつけます。左右差のある場合は、低い口角をより意識して上げるようにしましょう。

1日2回、朝晩約3分間のトレーニングをお勧めします。

朝・晩2回、鏡を見ながら顔全体を縮めて伸ばすストレッチや 頬を引き上げたり口角を外側へ引く口をすぼめ突き出すなど部位別トレーニングの他に、笑顔を3段階に作り分ける(1/4笑顔、 1/2笑顔、最大笑顔)トレーニングを行った結果、最大笑顔時の頬・口角の変位量が4週間後に平均で頬は3.5mm、口角は3.6mm有意に増加したという国内の研究結果があります。

2-3.ハッピーフェイスヨガ(アメリカの表情筋トレーニング)

こちらは、アメリカの表情筋トレーニングの商材です。

テキスト版や動画が販売されています。

ハッピー・フェイス・ヨガ公式サイトのTOPページには以下のようにあります。(以下は翻訳したものです)

この素晴らしい顔のエクササイズ・プログラムは、顔色を改善し、顔の筋肉の調子を整え、小じわを和らげ、たるみを改善。
あなたのお顔を輝かせ、若々しい状態を取り戻せる、自然で健康的な方法です!
この詳細な表情筋トレーニングプログラムは、美容整形手術のリスクもなく、費用もかからずに
あなたのお顔をリフトアップできるというメリットがあります。
この方法は、ノースウェスタン大学の研究で効果があると証明され、医学雑誌JAMA Dermatologyにも掲載されました!
詳細は以下をご覧ください。

2-4. PAO の活用

PAOという表情筋トレーニングの器具が販売されています。(PAO公式サイト

PAO

図のように器具を口にくわえた状態で振動させるというものです。

前述の割り箸を横にした状態で口にくわえるというネット上でも紹介されているトレーニング法と類似の方法で、等尺性トレーニングの一種です。

PAOが有効とされる原理は、口周りの筋肉(口輪筋、大・小頬骨筋、笑筋、頬筋)を鍛えることで頬がリフトアップ。

それにより法令線や頬・口周りのシワ・たるみに効果があるとされています。

表情筋 口周り

PAOの有効性症例写真の検証

PAOのHPに症例写真やデータが掲載されています。

2ヶ月継続することで、シワ・たるみに一定の効果が期待できるようです。

特に口角が外上方に引きあがったり、頬の頂点が引きあがったというデータは前述の頬の筋肉にほどよい収縮が常に出るようになっていることが考えられます。

また、フェイスラインの改善は広頚筋という首に前面にある筋肉に作用していることが考えられます。

これは、腹筋を鍛錬していない人が腹筋運動を開始すると数週間でおなか周りがすっきりするのと同じ原理です。

これは腹壁の筋肉の緊張が高まったためで、脂肪が減ったわけではありません。

常に筋肉の緊張が高まると体の形態が変化します。

PAOを検証した論文はこちら

PAOの商品サイト(AMAZON)>>

3. 効果をさらに高めるために知っておくべき注意点

表情筋トレーニングは間違った方法で行うと逆に悪化することもあります。ここでは、知っておくべきいくつかのポイントをご紹介いたします。

3-1.皮膚をこすり過ぎない

マッサージなどをする場合に皮膚の摩擦により炎症性色素沈着が生じたり、肝斑が悪化したりすることがあります。

強くならないように気を付けてください。

3-2. 顔の筋肉を収縮させる際にシワを作らないように気をつける

トレーニングをする際は、鏡を見ながらシワができていない状態を確認しながら筋肉を収縮させるようにします。筋肉を強く収縮させるとかえってシワ・たるみの原因となるためです。

片側顔面痙攣という疾患があります。

この疾患は、まぶたなどの表情筋が1日何度も強く収縮します。

正常な反対側と比較すると、痙攣が起こっている側は、シワもたるみも強くおこっており、老化した印象に見えます。

3-3.上まぶたに強い力を加えない

上まぶたを押したりマッサージをしすぎたりすると、眼瞼下垂の原因となることがあります。

まぶたを上げる薄いじん帯が伸びるためです。

3-4.トレーニングを止めると元に戻る

筋肉を鍛えている間は表情筋トレーニングの効果がありますが、止めると徐々に元に戻っていきます。

効果を維持するためには継続が必要です。

4.ネットで紹介されている表情筋トレーニング法のオススメ度

ここでは、ネット上で紹介されている表情筋トレーニングのうち、検索で上位に見られるものを、部位別にいくつかのパターン別にまとめてみました。

基本的には等尺性運動(筋肉の長さを一定に保ちながら収縮させる方法)または等張性運動(力を一定にして筋肉を収縮させる)がとられています。

オススメ度は、医学的根拠があるかどうかとシワ・たるみが増える逆効果になるリスクがないかの観点から付けています。

・上まぶたの表情筋トレーニング法

目を閉じた後に強く目を閉じ、大きく見開く(オススメ度☆)

眉毛を上げたまま、まぶただけを閉じる(オススメ度☆)

眉間の筋肉を指でほぐすマッサージ(オススメ度☆☆)

眉毛の上に指を置き、眉毛を持ち上げながら指の力を拮抗させ、数秒間眉毛が動かないようにする。(オススメ度☆)

・頬、口周り、ほうれい線の表情筋トレーニング法

口を横に広げたり、縦に伸ばした状態で数秒間キープする。(オススメ度☆)

頬をふくらませたり、口をすぼませた状態を作る。(オススメ度☆)

笑顔を作るように口角を上げた状態を作る。(オススメ度☆☆)

割り箸を横に状態で口に軽くくわえ、そのまま口角を上げキープする。(オススメ度☆☆☆)

顔を中央部に集めるイメージで縮める。(オススメ度☆)

口の中から舌の先端を小鼻の横を押し上げ、法令線をなぞる。(オススメ度:)

口を閉じた状態で口角を引き上げる。(オススメ度:☆)

口周りを指でぐるぐるマッサージをする。(オススメ度☆)

・アゴ下の表情筋トレーニング方法

アゴを上げて上を向き、舌を出して伸ばし、キープする。(オススメ度☆☆)

「あ・い・う・え・お」の要領で大きく口を動かす。(オススメ度☆☆☆)

顎関節を左右にずらしながら動かす。(オススメ度☆☆)

ネット上で紹介されていた「輪郭別の顔のトレーニング」の真偽

ネット上では、「顔の輪郭別のトレーンニング」というものが紹介されています。

概要は以下のようなものです。

・丸顔・・・脂肪が多いので、二重アゴになりやすい。アゴのトレーニングに重点を置くべき。

・四角顔・・・エラが張っているのでたるみにくいが、口元にシワがよりやすい。

・たまご顔・・・目元の老化がおきやすい。

・逆三角顔・・・アゴや口角がたるみやすい。

たしかに骨格的に細い場所は皮膚が余るためにたるみが生じやすい場所です。

ただし、目元のたるみは骨格とは関連性があるとは言えず、脂肪の問題は筋肉を鍛えることだけでは改善は難しいと考えられます。

5.医学的には効果は証明されていないが、比較的お勧めの表情筋トレーニング方法

以下は、医学的な検証は不十分ですが、試してみる価値はありそうなものです。

涙袋の表情筋トレーニング

こちらは、涙袋を作りたい方向けの方法の解説です。

涙袋は目の下のまつ毛直下の盛り上がりです。

これは、眼輪筋という筋肉の一部なので、トレーニング可能であると考えます。

涙袋の表情筋トレーニングの詳細はこちらをご覧ください。

まとめ

表情筋トレーニングはきちんと医学的に証明されたものは少ないものの、正しい方法で行うと一定の効果が得られる可能性があります。

止めると効果はなくなってしまいますが、長期的に継続できる方はぜひ試してみて下さい。

 

参考文献

解剖学アトラス.3.文光堂.1990

日本医事新報.6(8).39-43.2013

Folia Phoniatr Logop. 2013;65(3):117-22.

生理心理学と精神生理学.22(2): 194-194, 2004

日本抗加齢医学雑誌.11(4). 547-559, 2015.

Aesthet Surg J. 2014.34(1):22-27.

新潟歯学会雑誌.40(2): 196-196, 2010.

歯界展望.116(1): 60-75, 2010.

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参考サイト

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3          https://matome.naver.jp/odai/2140359746250277701   NAVERまとめ

4          http://hadalove.jp/face-muscle-training-121222           肌らぶ

5 http://cocokara.asia/blog/%E8%A1%A8%E6%83%85%E7%AD%8B%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0/            COCOKARA

6          https://otona-skincare.com/aging-care/447/     大人のスキンケア教室

7          http://mens-skincare-univ.com/article/010853/ スキンケア大学

8          http://www.womenjapan.com/pages/beauty/kaotore.html        WOMEN JAPAN.COM

9          http://n-coozy.com/mimetic-muscles-3754       N-coozy

10        http://antiaging-life.info/expressive-face-1317.html      アンチエイジングLife

11        http://mens-quest.com/face-training/   MENS QUEST

12        https://www.beauty-co.jp/news/dbn/healthcare/DB006718/     Beauty and Co

13        https://www.beauty-co.jp/news/dbn/healthcare/DB005779/     Beauty and Co

14        http://hadalove.jp/facial-muscles-training-108846        肌らぶ

15    http://www.hand-clap.com/topics/oldtopics/0312_hyoujoukin/topic03_10_2.html            Hand-clap

16        http://start-diet.com/%E8%A1%A8%E6%83%85%E7%AD%8B%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%A7%E5%B0%8F%E9%A1%94%E5%8A%B9%E6%9E%9C/      Beauty wise

17        http://josei-bigaku.jp/shiwabihada6512/          女性の美学

18        http://style.nikkei.com/article/DGXDZO66502010X00C14A2W02001?channel=DF130120166128&style=1     NIKKEI STYLE

19        http://bidan-factory.com/hyojokin.html 美男ファクトリ

20        http://tarumi.livedoor.biz/?p=4 「たるみ改善プログラム」塾

21        http://js-seitai.com/%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0/%E8%A1%A8%E6%83%85%E7%AD%8B%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0   Jsメディカル整体院

22        http://mens-wiki.com/doku.php?id=face:mimic-muscle            イケメンになる方法wiki

23        http://wakamie-lab.com/slack-training-under-the-eye-1096      若見えラボ

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